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2003年からの読書日記

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上作者: スティーグ・ラーソン,ヘレンハルメ美穂,岩澤雅利出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2009/07/09メディア: ペーパーバック購入: 10人 クリック: 88回この商品を含むブログ (64件) を見るミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下作者: スティーグ・ラーソン,ヘレンハルメ美穂,岩澤雅利出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2009/07/09メディア: ペーパーバック購入: 9人 クリック: 51回この商品を含むブログ (57件) を見る

(509)(510)
三部作ラスト。
最後まで目が離せない展開で一気読みでした。
あとがきにもありましたが、著者は読者を楽しませるツボをしっかり押さえている感じがしました。
読んでいると自然と映像が浮かんでくるので映画化されたのも納得です。


上巻のあらすじをamazonの紹介文より抜粋します。


宿敵ザラチェンコと対決したリスベットは、相手に重傷を負わせたものの、自らも傷つき、瀕死の状態に陥ってしまった。
現場に駆けつけたミカエルの手配で、リスベットとザラチェンコは病院に送られ、一命を取りとめる。
だが、彼女を拉致した金髪の巨人は逃走してしまう。
この事件は、公安警察の特別分析班の元班長グルベリに衝撃を与えた。
特別分析班は、政府でも知る人の少ない秘密の組織で、ソ連のスパイだったザラチェンコの亡命を極秘裡に受け入れ、彼を匿ってきた。
今回の事件がきっかけでそれが明るみに出れば、特別分析班は糾弾されることになるからだ。
グルベリは班のメンバーを集め、秘密を守るための計画を立案する。
その中には、リスベットの口を封じる卑劣な方策も含まれていた……

秘密組織・特別分析班の出現で一気に高まる緊迫感。波瀾の展開が待ち受ける、三部作の最終篇!



公安警察、スパイ活動などは自分の全く知らない世界なので難しい部分はありましたが、グイグイ読まされました。
裁判の場面も緊迫感があり夢中になりました。


国家のためという名目のもと一人の人生が長年にわたり犠牲になっていたということ・・・大変な悲劇だと思います。
リスベットが無実を勝ち取ったからよかったものの、情報操作の怖さも感じました。


裁判後、自由の身となったリスベットの新しい人生は始まったばかり。
ミカエルとの関係もよりよいものに変わっていくのかな?
これまで以上に強くしなやかに生きていって欲しいと思います。


アンデルス・ヨナソン医師も素敵でしたが、このシリーズは女性達が光っていてかっこいい!
売春やDVなど虐げられる女性も多かったけれど、リスベットはもちろん、エリカ・ベルジェ、ミカエルの妹で弁護士のアニカ・ジャンニーニ、ミルトンセキュリティーのスサンヌ・リンデル、モニカ・フィグエローラなどそれぞれの立場で奮闘する姿に力をもらったような気がします。
女性の立場はまだまだ弱いからこそ彼女達が輝いて見えるのかもしれませんが・・・


リスベットの妹が謎のままの存在で終わってしまったのが気になります。
きっと4作目で登場する予定だったんでしょうね。
著者が亡くなってしまったので次回作が読めないのがとても残念です。