はぴの本棚

2003年からの読書日記

プーさんの鼻作者: 俵万智出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/10/25メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (30件) を見る


2005年に出版された歌集。
8年半ぶりに出されたものだそうです。

子ども、家族、恋人のことを詠った短歌344首が収められています。
子育て中なので子どもについての作品が共感できました。


特に印象に残った短歌を5つ選んでみました。



新生児ふかふか眠る焼きたてのロールパンのごと頭並べて


バンザイの姿勢で眠りいる吾子よ そうだバンザイ生まれてバンザイ


ひざの上に子を眠らせて短篇を一つ読み切る今日のしあわせ


生きるとは手をのばすこと幼子の指がプーさんの鼻をつかめり


たんぽぽの綿毛を吹いて見せてやるいつかおまえも飛んでゆくから




他には父の定年、弟の結婚など家族に関するものや恋人の歌もありました。
時おり歌われる父親の不在・・・色々悩んで決断したんでしょうけど、読んでいると切ないですね。


瞬間を映像として切り取り記憶するのは写真だけれど、短歌は目に見えないものを切り取ることもできるんですね。
私は写真や育児日記くらいでしか子どもの成長を記録できないので俵万智さんをすごくうらやましいと思いました。
三十一文字で様々な感動を刻める短歌ってすごい!