はぴの本棚

2003年からの読書日記

園芸家12カ月 (中公文庫)作者: カレルチャペック,Karel Capek,小松太郎出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1996/03/18メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 69回この商品を含むブログ (96件) を見る

カレル・チャペックさんは名前だけは耳にしたことがあったのですが、多才な方なんですね。
劇作家であり小説家、エッセイ、旅行記、童話の方面で幅広い活動をされていたそうですが、本書は園芸に関する内容。
園芸家が1年間にすべきことが各月ごとにユーモアを交えつつ語られています。


あまりにたくさんの種類の植物の名前が書かれているので圧倒されかなり読み飛ばしてしまいましたが(笑)
各月が章に分かれているので細切れに読んでも大丈夫。
園芸に興味がある人はもちろん、そうでない人も楽しめると思います。
ところどころに描かれている著者の兄によるイラストも素敵です。


面白かったのは8月の章。
避暑のため大事な庭を知人に託し旅行に出た園芸家ですが、旅行中も気になって仕方ない様子がかなり笑えました。


私も最近ベランダ菜園にはまりつつあるんですが、野菜や果樹作りの人は園芸家に入らないらしい。
ちょっと残念な気はしますが、花のお世話だけで手いっぱいなのだから仕方ないのかも。
園芸の世界は奥深いですね。


園芸というとまず花に目がいってしまいがちですが、肝心なのは土作り。
土について熱く語られている文章を読むとチャペックさんが園芸を深く愛しているのが伝わってきました。