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2003年からの読書日記

精霊たちの家 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-7)作者: イサベル・アジェンデ,木村榮一出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2009/03/11メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 44回この商品を含むブログ (30件) を見る

池澤夏樹=個人編集 世界文学全集の一冊、初めて手に取りました。
ずっと読みたいと思っていたシリーズなので楽しみにしていました。
最初は分厚さに恐れおののいていたものの(笑)読み始めると長さも気にならない面白さ。
ゆっくり味わいながら読み進めました。

ラテン・アメリカの小説はほとんど読んだことがないんですが、独特の濃い雰囲気がとてもよかったです。
クラーラ、ブランカ、アルバへ引き継がれる三世代の女性の物語にグッと惹き込まれてしまいました。



三世代の中で特に印象的だったのは孫のアルバ。
祖母のような不思議な能力もなく、祖母、母のように美貌に恵まれてもいないけれど激動の時代を生き抜いていく強さを感じました。
壮絶な経験を乗り越えていくしたたかさ、たくましさも感じました。
これからどんな物語が続いていくのか先が知りたい気もします。

タイトルに「家」とついているように主役は女性達なんでしょうね。
ほぼ最初から最後まで登場するアルバの祖父(クラーラの夫)のエステーバン・トゥルエバは農場を再建したり、国会議員として活躍しますが、彼よりもローサ、フェルラ、乳母、トランシト・ソト、アナ・ディーアスなど女性の登場人物の方が印象に残ります。


自分が女性だからかもしれませんが、女性の三世代の物語ってなんて魅力的なんでしょう。
まず浮かんだのが桜庭一樹著『赤朽葉家の伝説』でしたが、他にも知らないだけでたくさんあるんでしょうね。
もっともっと探して読みたいと思いました。

この作品と比較される『百年の孤独』もタイトルくらいしか耳にしたことがなかったんですが、ぜひ読んでみたくなりました。