はぴの本棚

2003年からの読書日記

インフルエンザ・ワクチンは打たないで!作者: 母里啓子出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2007/11メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 374回この商品を含むブログ (11件) を見る

予防接種について書かれてある本を読むようになったのは最近だし、まだまだ知識は少ないですがこれは読んでよかった!

新型インフルエンザの流行している現在。
ワクチン接種を奨めるのはもちろん輸入してまで確保しようとしている日本。
この本はタイトルでも分かるようにそんな流れとは正反対の内容になっています。

>インフルエンザ・ワクチンを打っても、抗体はのどや鼻にはできないからウイルスの感染を防げないこと、他人へうつすことも防げないこと、インフルエンザ脳症はインフルエンザとは無関係であること、副作用で苦しんでいる人もいることなどをご存知でしょうか。


>じつは、インフルエンザ・ワクチンは、「効果はあまりないけれど」という前提の上に成り立っているワクチンなのです。


著者は元国立公衆衛生院疫学部感染症室長の方。
けっこうバッサリ書いてくれているので(個人の立場になったからこそここまで書けたのでしょう)読んでいて気持ちがいいです。



私も数年前はよかれと思ってインフルエンザの予防接種を受けていたし、長女の小さい頃は積極的に受けさせていました。
去年は受けていた長女だけがかかり不思議だったのですが、ワクチンのおかげで軽くすんだと思っていました。
今さらですが疑問がわいてきました。


インフルエンザ・ワクチンを打つ国としては効果があるから奨めていると思っていたけれど、そうではないということ。
しかもインフルエンザ・ウィルスは日々変化しているのでそのスピードにワクチンの型が追いつけず打っても弱い免疫力がつくかどうか、という程度なんて・・・

読み進めるうちにインフルエンザ・ワクチンは受けない方が逆に安心かもと思う気持ちに変わっていました。


何も手を打っていないとは言えない国、ワクチンをたくさん消費してもらいたいワクチンメーカー、接種する医者にもいい商売・・・裏事情もよく分かり過去の本当に国民の健康を思ってのワクチン投与なのか?


インフルエンザはたしかに怖い病気かもしれませんが、新聞記事もテレビも不安を煽るだけ煽ってワクチン奨めるばかりの報道ではおかしいはずなのに・・・
マスコミについてももっとしっかりして欲しいと書かれてあり本当にそうだと思いました。
そして私達も情報をうのみにせずもっと賢くならなければと痛感しました。



第3章のインフルエンザ・ワクチンの4つの嘘も勉強になりました。
1つ目の嘘 「インフルエンザは死に至る病 だからワクチンが必要」の嘘
2つ目の嘘 「20〜30%は効く」の嘘
3つ目の嘘 「ワクチンは重症化を防ぐ」の嘘
4つ目の嘘 「家族や他人にうつさないためにワクチンを」の嘘


特に印象に残ったのは3つ目。

著者はこの言葉は詐欺だ、主観的な判断に頼るしかなく基準もデータもないと述べています。

インフルエンザにかかり重症化し、脳症のため死亡したとニュースでよく言われているので気になっていましたが、

>脳症は感染症にかかり、高熱が出たあとに引き続いて起こる、インフルエンザとは別の病気です。

と説明されているように脳症はインフルエンザだけに限らず突発性発疹やはしかなど他のウイルス感染でも起こることは知りませんでした。


インフルエンザに感染から脳症になった子どもの脳を調べると、インフルエンザ・ウイルスは入りこんでいないし、炎症も起こしていないので、インフルエンザが直接の原因ではないとのこと。

またインフルエンザ脳症は特に日本に多く、他の国ではあまり見られない病気だそうです。

日本で使われていた一部の解熱剤(非ステロイド抗炎症剤系の解熱剤)が脳症を引き起こす原因の一つであることはほぼ確実だと言われており、今では処方してはいけないことになっているそう。

一時インフルエンザ脳症は減少したのに、そのころからまた別のタイプの脳症が増えてきているとのこと。

>抗ウイルス薬であるタミフルが処方されるようになった時期から増えている脳症で、タミフルとの関係が疑われている例が多数あります。


そういえば以前報道されていたタミフルによると考えられている異常行動について最近はあまり言われなくなったのも気になります。
タミフルは2001年の発売以来、アメリカの子どもの13倍も使われているそう。
高価な薬だということもあり、世界中のタミフルの75%は日本で消費されているというのには驚きました。
早期にタミフルを打つと重症化が避けられると言われていますが、本当にそうなのか?かえって脳症の恐れはないのか・・・危険を感じてしまいます。

この他、タミフルの危険性についても詳しく述べられているし、迅速判断キットとタミフルの矛盾についても書かれていてなるほどと思いました。



ワクチンの歴史についての話も興味深く読みました。
特にショックだったのは日本脳炎ワクチンについての部分でした。
ネズミの赤ん坊の脳で作られるという日本脳炎ワクチン。
最初は不純物が多く副作用被害も多いワクチンだったのが、改良を重ねきれいなワクチンができたのにもかかわらずワクチンメーカーの在庫が残っているという理由で新しいワクチンに切り替えるのを1年先伸ばしにしたという話はなんともいえず怒りがこみあげてきました。



インフルエンザの予防については
>流行時期に人混みに出ないことです。

家にずっと閉じこもっている訳にもいかないので、普通に社会生活を送っているならば感染するこはまず避けられないということですね。
でも感染しても、体に免疫力があれば症状を出さずにやりすごすことができるとあり、免疫力を強くしていくのが唯一の方法だと述べています。

>まず適度に体を動かし、規則正しい生活をして、おいしいものを食べ、よく眠る、ということに尽きます。

考えてみれば基本的なことなんだけれど、これが現代人にはなかなか難しいのかもしれません。


>実際にインフルエンザ・ウィルスに感染して、体内に抗体を作っておくことです。インフルエンザの最強の予防法はインフルエンザにかかることなのです。

自然感染でついた免疫は生きたウイルスのため毎年打たなければならないワクチン接種より圧倒的に強い抗体ができるということですが、持病のある方もいるだろうし、皆がインフルエンザにかかって免疫をつけるのが一番というのはちょっと乱暴な結論のような気はします。
でも全体的にはかなり信頼できる内容だと感じました。

インフルエンザ・ワクチンは万能ではないこと、タミフルについてもなんとなく怖いと感じていたのがやっぱり自分の感覚は間違ってなさそうだということも分かりよかったと思います。

インフルエンザについて改めて考えるいい機会になると思うので、もっともっとたくさんの人達に読んで欲しいです。