はぴの本棚

2003年からの読書日記

「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)作者: J.K.ローリング,J.K.Rowling,松岡佑子出版社/メーカー: 静山社発売日: 2008/07/23メディア: ハードカバー購入: 22人 クリック: 228回この商品を含むブログ (348件) を見る

ついに最終巻!
著者が鍵をかけて金庫にしまっておいた最後の部分はこれだったんですね。
内容はもちろん、再読しながらここまで読んできた自分へのご褒美を込めて星5つです。
2月から休み休み始めた長い再読の旅もようやく終わり、ハリー・ポッターを十分堪能できました。


ハリー、ロン、ハーマイオニーが残された分霊箱を探すあてのない旅に出かけ、さらに死の秘宝探しも・・・このままどう終わるのか?と気になっていましたが、最後はうまくまとまってさすがだと思いました。
これまでの伏線も次々と明らかになり、気持ちもすっきり!
R・A・Bの正体も分かり納得しました。

今回興味深かったのはダンブルドアの過去。
偉大な魔法使いという印象が大きかったダンブルドアですが、やっと人間味のある部分が出てきてよかったと思いました。
私は失望というよりいい意味で裏切られた感じです。


圧倒されたのは33章。
ハリーの目が母親似とこれまでよく述べられていたのはこのこととつながっていたんですね。
訳者のあとがきにもありましたが、彼の最後の言葉
>「僕を・・・・・・見て・・・・・・くれ・・・・・・」
は読んでいて本当に切なかったです。


ホグワーツでの戦いも壮絶でした。
なじみのある登場人物達の死は辛かったけれど、不死鳥の騎士団のメンバーやDAの活躍、ネビルの変貌も素晴らしかったです。
ネビルは最初の頃と全然違うのでびっくり。
ハリーと同じ7月の終わりに生まれた男の子の片鱗がここにきて見られたように思います。


ハリーは色々な選択を迫られますが悩みながらも自分で決断し、それを引き受ける強さを身につけました。
本当に立派でいい子過ぎるくらいなんですが、そこがハリーのよさなのかな?
最後、ヴォルデモートとの一騎打ちで「エクスペリアームス」(武装解除)の呪文を使ったのも彼らしくて印象に残っています。


そして終章。
戦いが終わった場面で終わってもよかったとは思いますが、読者としては登場人物達のその後が見られてうれしかったです。
子ども達へつけた名前に込められた思いも感じられました。
19年後のネビルの姿もなるほどと頷けるものでした。


新しい巻が出版されるたびに話題になったこのシリーズ。
賛否両論色々ありますが、子ども達に夢を与えファンタジー読者が増えたのはハリーの力が大きいと思っています。
将来『指輪物語』や『ナルニア』『ゲド戦記』みたいに皆に愛されて残っていく物語になるかな?
再読はしばらくないと思いますが、忘れた頃にまたいつかじっくり読む時間を持ちたいです。