はぴの本棚

2003年からの読書日記

あの犬が好き作者: シャロンクリーチ,Sharon Creech,金原瑞人出版社/メーカー: 偕成社発売日: 2008/10/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見る

読書大好きな私ですが、読むのは小説がほとんど。
詩は学校で触れる機会があったくらいで(楽しかった授業もあったはずだけど、丸暗記させられた嫌な記憶の方が残念ながら大きい・・・)大人になってからは手に取ることがほとんどない状態でした。
そのせいか詩ってなんとなく敷居が高い感じがして近寄りがたいような難しい印象がありました。


この物語の主人公も詩は苦手だったよう。
詩は女の子のもので男は書かないと言っていた少年ジャックですが、少しずつ詩の面白さや楽しさに目覚めてはまっていきます。


詩って本当は堅苦しくなくてもっと楽しいものなんでしょうね。
自分の思ったことや感じたことを自由に表現できるんですから。
色々な詩がたくさん登場するんですが、林檎の詩とそれを参考に作ったジャックの犬の詩はユニークでかわいいなと思いました。


さらっと読めるタイトルですが、最後まで読んでいくと深い意味があることが分かります。
タイトルになったジャックの詩もあるんですが、犬への愛情が溢れてこちらに伝わってくるようでとても素敵です。
この詩を書いた理由を知ってから読むと、ジャックの気持ちがより伝わってきて切なくなってしまったけれど、自分の思いを詩にのせて表現できたからきっとこれでよかったんでしょうね。


この作品は金原瑞人さんが初めて訳した詩の本だそうです。
ちょっと意外でしたが、小説以上に詩を訳すのって難しいんだろうと思います。
金原さんの訳、とても生き生きしていて素晴らしかったです!


あとがきで金原さんもおっしゃっていましたが、詩は短いので自然に覚えられる点がいいですね。
そしていったん心の中にしまったらいつでも取り出して楽しむことができるというのは本当にそうだと思いました。
私も苦手意識を取っ払って、詩に触れる機会をもっと増やしたいです。
そして暗唱できるくらいお気に入りの詩を見つけてみたくなりました。