はぴの本棚

2003年からの読書日記

初女さんからお母さんへ 生命(いのち)のメッセージ作者: 佐藤初女出版社/メーカー: 主婦の友社発売日: 2007/10/13メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (4件) を見る

この本を手に取ったのは、以前NHKの番組「おむすびの祈り 岩木山麓ぬくもりの食卓」で著者が紹介されていて興味を持ったから。

先日再放送されていたので録画してじっくり見ました。

1921年生まれの佐藤初女さん。
小学校の先生をされていましたが、現在は「森のイスキア」を開設し、訪ねてくる人を無条件で優しく受け入れています。

番組では自分の居場所が分からず手首を切ることを繰り返してきたという若い女性、職場の人間関係に疲れた人、がんと闘っている人・・・などが紹介されていました。


悩みや苦しみを持った人達の話をじっくり聞き、心のこもった食事を作ってもてなすのですが、そのたたずまいがとても素敵。
穏やかに耳を傾けてくれる初女さんを見ていると、こっちもあったかく包まれている感じがしました。
話を聞くということは簡単そうですが、実はエネルギーを使うとても辛抱のいることだと思うんです。
悩み苦しんでいる人達の話は特にそう。


>助けを求めるすべての人を無条件で受け入れ、食事と生活を共にすることにより、多くの人を再出発させている

初女さんはただただすごいと思ってしまいました。

そしてその人達のことを思って丁寧に時間をかけて食事を作ること、これも力をもらえますね。

特におむすびはシンプルなんですが、本当に美味しそう!
本にも作り方が写真つきで紹介されていましたが、愛情がたっぷりこもっている感じがしました。


「食は生命」をいただくこととおっしゃる初女さん。
ご自身も若い頃病気をされた経験があったとのことですが、食を大切にされていることがとてもよく分かります。
丁寧に時間をかけて作るのはなかなかできていない私ですが、心をしっかり込めるだけでも見習いたいと思いました。



番組の感想ばかりになってしまいましたが、本では妊婦さんや母親に向けて分かりやすく大切なことが書かれています。

特に印象に残った章をあげておきます。


第2章 食は生命です

>食事は毎日のことで、生活の基本です。
でも、いちばん大事なことです

>食べるものほど、ストレートに心を伝えるものはないでしょうね。食べるものをおろそかにすると、生活がくずれます。毎日の食事をきちんと食べていると、心も体も、生活もきちんとしてきます。芯が丈夫になって、元気になってくるんです。


第8章 子どもの心を受けとめる

>子どもの言葉は、大人もきちんと受けとめましょう。子どもに対して、受けとめたという態度を見せること。子どものことを受けとめないで、子どもに要求してはいけないのです。


第11章 大人の行動が子どもに伝わります

>大人の姿勢は子どもにうつります。
子どもが小さいときから、大人も姿勢をととのえることです。


第15章 心が揺れるとき

>心が揺れるのは成長の過程。
だからお母さんたちも
大揺れに揺れてもいいのです

>無理して進まないで時を待つ。
休ませると考えが出てくる。
生き方は調理に通じています


初女さんの他の著書や「地球交響曲ガイアシンフォニー>第二番」の映画も見てみたいと思いました。