はぴの本棚

2003年からの読書日記

タングルレック作者: ジャネットウィンターソン,Jeanette Winterson,瓜生知寿子出版社/メーカー: 小学館発売日: 2008/10/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る

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オレンジだけが果物じゃない』『さくらんぼの性は』『灯台守の話』など、いつか読みたいと思っていた作家ジャネット・ウィンターソン。
今回読んだのは児童書でSFファンタジー、日本ではこの11月に出版された新しい作品です。



小学生を乗せたロンドンバスが突然消えてしまうという事件が発生、時間にひずみが生じることで起こるタイムトルネードが世界中に広がり始めていました。

主人公の少女シルバーは両親と妹が突然蒸発して以来、伯母を名乗るミセス・ロカバイとタングルレッグ屋敷で暮らしていたのですが、ある日怪しい男性が訪ねてきます。

彼はこの屋敷のどこかにあるタイムキーパーという時計をシルバーから譲り受けたいと言うのですが、シルバー本人は全く知らなくて困ってしまいます。

屋敷を訪ねてきたエイブル・ダークウォーターの他にリーガイア・メイスンという女性もタイムキーパー探しをしていました。

実はタイムキーパーは時間を自由に操ることができるもので、二人ともこの時計を使って宇宙を支配しよう狙っていたのでした。
シルバーは先にタイムキーパーを見つけ出すことができるのでしょうか?



物理用語が色々出てきて難しい部分もあったし、時代があちこち前後して混乱したりもしたけれど、時がテーマの物語は好きなので楽しめました。
児童書だからか章がかなり細かく区切られていることもあり読みやすかったです。


シルバーがタイムキーパー探しをする重要な鍵を握っていて、知らないままどんどん事件に巻き込まれていく展開なのでドキドキしながら読めました。

悪役二人もなんともいえず不気味なのがよかったし、シルバーを助けてくれるスローバック一族(18世紀に魔術師の手で改造されて以来地下で暮らしている人々)も魅力的でした。


ウィンターソン作品にますます興味が出てきました。
児童書以外の作品も読むのが楽しみです。