はぴの本棚

2003年からの読書日記

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図書館で予約していたのが同時に届いたので一気に読みました。
年末の慌しい時期なのに(笑)ここ数日かなり夢中になってしまってました。
本当は一冊ずつ感想を書くつもりだったのに第二部を読み終わっても続きが気になり中断できず・・・
結局そのまま続きを読み始め最後まで突っ走りました。
今年最後に素敵な小説を読めてよかったです。


ああ〜青春、いいなぁ。
キラキラしてて、熱くて、一生懸命で。
私は文化部でしたが、部活に燃えた懐かしい思い出がふっと戻ってくる感じにさえなりました。
奥田民生の『イージュー★ライダー』の歌詞は本当にぴったりですね。
久々に聴きたくなりました。


とにかく一生懸命でがむしゃらだった一年の頃、部や試合にも慣れ充実した年だった二年、そしてこれまでやってきた総仕上げの三年。
読み進むうちに登場人物それぞれの成長が感じられたのもよかったです。
新二はもちろん、連の成長が著しくてうれしく思いました。
 

この二人以外にも魅力的な登場人物がたくさんいましたが、私は特に根岸がお気に入りでした。
関東大会前の新二たちの提案をキッパリ断ったところ、素敵でした。
こういうことってなかなか言えないと思います。
自分の実力をちゃんと分かった上で(悔しいこともたくさんあっただろうに)腐らず努力を惜しまない姿勢も大好きです。


でも健一に起きた出来事はちょっとショックだったし、最後もうまくいきすぎかなと思いましたが満足感の方が大きかったので、まあいいかな。
試合の走る場面では息を詰めてしまうくらいの迫力があり、運動が苦手な私でも一緒に走っているような気持ちになりました。



心に響く言葉があちこちにあったのですが、特に印象的だったものを書いておこうと思います。


>人生は、世界は、リレーそのものだな。バトンを渡して、人とつながっていける。一人だけではできない。だけど、自分が走るその時は、まったく一人きりだ。誰も助けてくれない。助けられない。誰も替わってくれない。替われない。この孤独を俺はもっと見つめないといけない。俺は、俺をもっと見つめないといけない。そこは、言葉のない世界なんだ−たぶん。