はぴの本棚

2003年からの読書日記

寡黙な死骸 みだらな弔い (中公文庫)作者: 小川洋子出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2003/03/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 22回この商品を含むブログ (92件) を見る

まずこのタイトルにドッキリ(笑)
短編のタイトルも「心臓の仮縫い」「拷問博物館へようこそ」「ベンガル虎の臨終」など、どんな内容なんだろう?と想像力がむくむく膨らんでしまいます。
内容も人間の狂気を描いていたり、怖くて残酷な部分もあるんですがさすが小川洋子さん!
ただの怖い物語で終わっていないのがすごいと思いました。


最初は分からなかったんですが、連作短編集になっているんですね。
読み進めていくうちに11の物語の登場人物がどんどんつながっていきます。
どの短編にも静かな雰囲気の中に死が身近に横たわっています。
ひんやりとした狂気も感じました。


特に印象に残ったのは「果汁」「心臓の仮縫い」「拷問博物館へようこそ」「トマトと満月」


今回は文庫で読みましたが、単行本が出版されたのは1998年。
ちょうど10年前になるんですね。
最近のほのぼのした感じも好きですが、こういう雰囲気も魅力的ではまりそうです。