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2003年からの読書日記

ハーフ (teens’ best selections)作者: 草野たき出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2006/06メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 10回この商品を含むブログ (13件) を見る

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すももさんの日記で知りました。
初めて読む作家さん。
1970年生まれでまだ30代、デビューは1999年とのことです。
今回読んだのがすごく好きな感じだったので、既出の作品も読んでみたくなりました。
これからの作品も楽しみです。

主人公の真治は父さんとヨウコと暮らしています。
ヨウコというのは犬で父はヨウコが彼の母親だと言うけれど、小学6年生の真治は、自分が人間と犬のハーフだなって本気で思っているわけではなくそれに付き合って信じているふりをしているだけ。
小説は真治の語りで進んでいきます。

平穏に暮らしていた彼らですが、ある日ヨウコがいなくなってから少しずつ歯車が狂ってきます。
真治の押し隠していた本音の部分も少しずつ出てきて、父に思わずきつい言葉をぶつけてしまったり、クラスメイトの三浦に「あんたはいじけてる」と言われて落ち込んだり・・・
おばさんに母親の事を聞きにいく場面では、とっても切なくなりました。

でも、見せないだけで父も相当辛かったはず。
唯一のよりどころがヨウコだったんでしょうね。
二人ともヨウコに救われてきたんだというのがよく分かりました。
ラストは新しい親子の関係が始まる感じがして、切ないながらもじんわり温かくてよかったです。

けっこう深刻な家庭環境のようにも見えるけれど、なぜかさらっとした雰囲気が漂っていて、さわやかさも感じる作品。
この雰囲気、誰かの小説に通じるものがあるなと思いながら読んだのですが、瀬尾まい子さんかな?湯本香樹実さんかな?
似ているけれど、やっぱり違う、でもすごく好きな感じでした。
草野たきさんブーム、いつか来て欲しいです。

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すもも > トントンさん、気に入ってくださったようでよかったです。(出版社の回し者ではありませんが・笑)わたしの日記で書ききれなかったことを、トントンさんが、すべてわかりやすく書いてくださっていて、感心してしまいました。ありがとう。 (2006/07/27 18:03)
three bells > こんにちは!私も多くは読んでいないですが草野たきさんスキです。犬とのハーフだなんておもしろい発想ですよね。読んでみたいです。 (2006/07/28 19:23)
トントン > すももさん、おはようございます♪思いがけず早く借りられてよかったです。草野たきさんの文章の雰囲気、すごく気に入っちゃいました。日記にはちょっと説明しすぎたかなと思ったのですが褒めてくださってうれしいです。草野さんをこれからも追いかけて行こうと思います。すももさん、素敵な本を教えてくださってありがとうございました!
>three bellsさんも草野たきさん好きなんですね。私はこの本が初草野さんだったのですが、とても好きになりました。最初「ハーフ」ってなんのことだろうと思っていたので、ちょっとびっくり。ほんと面白い発想ですよね!three bellsさんも機会があればぜひ読んでみてくださいね。 (2006/07/29 05:31)