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2003年からの読書日記

八十四歳。英語、イギリス、ひとり旅作者: 清川妙出版社/メーカー: 小学館発売日: 2006/03/01メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (10件) を見る

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以前母にすすめられた本を読んで以来清川さんのファンになってしまいました。
私からいえば祖母くらいの年齢なんですが、とても素敵な方だなと思っています。

これは清川妙さんの今年出たエッセイです。
といってもこれまでのエッセイ集から一部を抜粋して大幅に加筆訂正、再編成に書き下ろしをつけたとありますが、著書を数多く読んでいない私には十分楽しめました。

清川さんは1921年生まれ(今年85歳)
53歳の時、雑誌取材で初の海外旅行を経験し、英語がうまく通じなかったことから一念発起、学び直しを決意します。
英語塾のグループレッスンを経て、ベルリッツ語学学校での個人レッスンでG先生→M先生と出会います。
そして念願のイギリス旅行、その後ひとり旅も経験!

清川さんは古典評論、生き方エッセイ、手紙の書き方など多方面にわたる執筆や講演会で活躍されている大変忙しい方。
でもその多忙な仕事の合間にも勉強を続け、58歳で英検2級に合格、イギリスに何度も旅行し、(主な旅先はコッツウォルズジャージー島)現地の人と交流し友情を深めます。
旅先で失敗もしつつ、素敵な出会いが多いのは清川さんが外国の方から見ても海外ひとり旅には年配で、助けてあげたくなるのもあるけれど、彼女からにじみ出ている温かいお人柄なんだろうなと思いました。

本の中にはイギリスの旅地図や旅行中の写真もおさめられていて、自分も一緒に旅行している気分になって楽しめました。
イギリスひとり旅も中断はありつつも84歳までに13回を数えるというのは本当にすごいです。

内容を簡単に紹介すると清川さんがすごく語学に堪能で、軽々とイギリスに旅行しているように思えてしまいますが、全くそんなことはありません。
外国語をマスターするのは並々ならぬ努力と情熱がないとできないし、使い続けていないと忘れてしまうものですし、プライベートではご主人と息子さんを相次いで亡くされたり、ご自分の病気(胃がん白内障の手術)も経験され、辛く大変な時期もありました。

私も英語を学びなおしたいという気持ちはあるものの、いつも挫折するので清川さんを少しでも見習ってできるところから頑張りたいです。
そしてイギリス、とても素敵な国だと改めて感じました。
私の興味あるファンタジーや児童文学でも有名な国だし、いつかひとり旅でなくても行ってみたいと思いました。

たくさん印象に残る部分があったんですが、力をもらった文章を一つだけ抜粋しておきます。
「たとえ、それが何歳のときであれ、ある時、あなたはハッと目覚めたように、何かを望み、それを叶えたいと思い立つ。
おそらく、ずっとかかえてきた好きなことに、根ざしているだろう。
とにかく、思い立ったが吉日、すぐにスタートしよう。
そして、あきらめず、粘り強く、楽しむ余裕も持ちながら、すこしずつ望みを育てていこう。
望みのかたちは人さまざまだが、育てていくうちに、確実に自分も育っていく。」

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すもも > この本、図書館に予約しています。もう二ヶ月くらいたつのですが、まだ手元に届きません。他にもエッセイを書かれているのですか。探してみようと思います。トントンさんのお母様、良い本をたくさんご存知ですね。 (2006/07/20 09:14)
れんれん > 素敵な方ですね。トントンさんが抜粋して下さった文章もとても良い言葉、本当に力をもらえる言葉ですね。私も今年に入って70代、80代の方が書かれた体験記やエッセイを読み、「本当にもう、恐れ入りました」って言う気持になりました。年齢を理由にして諦める事は決してなさらず、着実に目標に向かって前進し実践し遂には目標をも叶えてしまう大大大先輩方。学ぶことはたくさんあり、勇気もいただけて、私もこの本読んで見たいです。 (2006/07/20 12:45)
ぱせり > なんだかとても励まされたような気がします。本当に素敵な方ですね。いつだって何かに向かって歩いている、挑戦している、と思えるのは素晴らしいことですよね。わたしもトントンさんの抜粋に力をいただきました。この本、読んでみたいです。 (2006/07/20 14:37)
トントン > すももさんも予約中なんですね。私は1ヶ月しないうちに連絡が来ましたが以前新聞でチラッと紹介されてたし話題になってるのかな?エッセイは多数出てますよ。私の日記で紹介している吉沢久子さんとの共著や(174)お孫さんとの共著(183)もおすすめですのでぜひ読んでみてくださいね。母も私が借りたこの本を見てすごく気になってました^^
>れんれんさん、抜粋した言葉以外にもあちこちに書きとめて置きたい文章が多かったんです。れんれんさんもたくさん大大大先輩方(←これ素敵な表現ですね♪)の体験記やエッセイを読まれてるんですね。先輩方からは本当に学ぶことがたくさんあるなと思います。読みやすくて元気をもらえるこの本はおすすめなのでぜひ手にとってみてくださいね。
>ぱせりさん、興味を持って下さって嬉しいです。れんれんさんがおっしゃったように年齢って関係ないんですよね。清川さんの望みを育てていく姿勢は本当に素敵で見習いたいと思いました。本に掲載されている旅行中の写真もとっても素敵なんですよ。ぱせりさんの感想も楽しみに待っていますね! (2006/07/20 23:50)
WH > 私は清川先生の古典教室の生徒です。この前の教室では『古事記』の中から恋に命をかけた女性「女鳥王」のことを情熱的に語られました。清川先生は本当にステキな方です。『84歳。英語、イギリスひとり旅』は若い方々にもぜひ読んで元気をもらってほしいです。 (2006/07/26 18:35)
トントン > WHさん、初めまして♪清川さんの古典教室に通われているんですね!生で清川先生の授業を聞いていらっしゃるWHさんがとってもうらやましいです。本を何冊か読んだだけでも素敵な方だと想像できるので、実際お会いするとその何倍も素敵なんでしょうね。この本から私もたくさんの元気をいただきました。もっと多くの方に知って欲しいなと思います。 (2006/07/27 14:42)