はぴの本棚

2003年からの読書日記

トリツカレ男 (新潮文庫)作者: いしいしんじ出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/03/28メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 43回この商品を含むブログ (194件) を見る

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本プロでも以前「今月の1冊」に取り上げられて話題になったこの本。
図書館派の私ですが、これは文庫で購入して読みました。

色々なものに夢中になるとそればっかり。
まさにトリツカレてしまうという表現がぴったりのジュゼッペ。
街のみんなにも「トリツカレ男」とあだ名され、時折迷惑をかけつつも愛されている様子です。
オペラ、三段跳び、サングラス集め、刺繍など、色々なものにトリツカレたジュゼッペでしたが、今度は風船売りの少女ペチカに恋をして・・・

いしいしんじさんの物語はまだ数冊しか読んでいないけれど、今回はこの世界にどっぷりトリツカレてしまいました。
すごく短い物語なんだけど、響く部分が多かったんです。

なぜか途中から涙がボロボロ出て止まらなくなりました。
見返りを求めないジュゼッペのペチカを思う真心。
きっとそれがペチカの閉ざされた心を溶かしたのだと思います。
心があったまるラブストーリーでした。

いしいさんの物語の舞台はどこか特定できない異国のようで、でも自分の身近にある街の感じもして・・・
登場人物も風変わりな人や動物だったりするけれど、やっぱり共感できる部分がちゃんとあるように思います。

何度も読み返したい一冊がまた増えました。
もう参加はできないけれど「今月の一冊」をじっくり読みに行ってきます♪

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青子 > わーい、トントンさん満点ですね。自分が好きな本をスキだと言ってくれる人が増えるのはとっても嬉しいです。<特定できない異国のようで、でも自分の身近にある街の感じもして>って、ほんとにそうですよね。なんだか懐かしい感じするのも、皆さん一緒なんですね。だから、余計に共有感を感じるのかもしれませんね。 (2006/05/15 19:52)
キイロイトリ > こんばんは。★5つですね♪私も読んでいて途中から涙が出てきました。見返りを求めないジュゼッペの真心に感動しました。ホントに素敵な恋愛小説でしたね。 (2006/05/15 20:48)
まゆ > ジュゼッペのあまりに純粋な思いに、素直に感動しました。題名からはこんなに素敵なラブストーリーだなんて、想像できませんね。
いしい作品の舞台設定、私はなんとなく宮沢賢治の世界とだぶるんです。賢治が「イーハトーヴ」と呼んだ世界と。 (2006/05/15 21:56)
トントン > 青子さん、これ、すごくよかったです!評判がいいと聞いていたのでちょっと構えて読んだんですが、もう途中から涙が出るくらいで自分でもびっくりしました。懐かしい感じ、皆さんそう思うんですね〜不思議。何度も読み返したい本になりました^^
キイロイトリさん、こんにちは。途中から涙・・・同じでなんだか嬉しいです。ジュゼッペの真心には打たれますよね。こんなに思われるペチカも幸せですね。本当に素敵な恋愛小説でした!
>まゆさん、私も最初題名からは怖い感じの話のイメージしかなくて(笑)でも予想をいい意味で大きく裏切ってくれたなと思います。いしいしんじ宮沢賢治・・・興味深いです。宮沢賢治の作品は学校で習ったくらいであまり読んでないんですが、またチャレンジしてみたいと思いました。 (2006/05/16 14:15)
ぱせり > 異国のようで、でも自分の身近にある街の感じ…この舞台、ほんとに魅力的です。登場人物も風変わりだけど、かえって、不思議な存在感を感じてしまって、ほんとに素敵な本でした。わたしは、やっぱり、あの湯気がおいしいパンを食べてみたいです♪ (2006/05/16 14:19)
流歌 > 1、2年程前に、男性作家の純愛小説ブームがあったじゃないですか。その時私は、こっちの方がいい本だぞ!と周りに言いまくってたんです。文庫化したので、本プロでも広まってくれたのがすごく嬉しいです。 (2006/05/17 16:12)
ミワ > トントンさん、読まれたのですね!★5つ!うれし〜い*^^*
この物語のメインは恋のお話かもしれないけれど、トントンさんのおっしゃるように、響く部分がたくさんあるんですよね。それは、いしいさんの作品全てに言えるような気もします。
ちなみにわたしも涙ぼろぼろでした^^
今、通勤のおともにいしいさんの『麦ふみクーツェ』、半身浴用に『雪屋のロッスさん』と、贅沢にいしいさんを堪能しています。まだまだどっぷりトリツカレ中でし♪ (2006/05/17 20:28)
ミワ > 「でし♪」って、どれだけ浮かれてるかよく分かる誤字ですね〜(苦笑)。恥ずかしいわあ。 (2006/05/17 20:29)
トントン > ぱせりさん、おはようございます。いしいさんの描く世界って不思議なんだけど、身近な感じもしてすごく魅力がありますよね。そうそう湯気のたったおいしいパン♪私も想像をいっぱいに膨らませてしまいました^^
>流歌さんは以前からいしいさんを周りにすすめていたんですね!本プロで流行したのがきっかけに私も読むことができてうれしいです。そういえば純愛ブームの時の本はほとんど読んでないかも・・・
>ミワさ〜ん、読みましたよ!皆さんがおすすめするこの作品、読んでみて納得。やっぱりいいなあと思いました。今まで読んだいしい作品の中で一番響いたかも。涙ぼろぼろ・・・同じで嬉しい(笑)今ミワさんはいしい作品を堪能中ですね。どっぷりトリツカレ中ってうらやましいな。感想楽しみに待ってますね。 (2006/05/18 07:20)