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2003年からの読書日記

ストラヴァガンザ 星の都作者: メアリホフマン,Mary Hoffman,乾侑美子出版社/メーカー: 小学館発売日: 2005/07/05メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見る

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3部作のシリーズ2作目です。

今回の主人公は21世紀のロンドンに住む少女ジョージア
母の再婚で同居するようになった義兄ラッセルにネチネチといじめられる日々を過ごしています。
そんなジョージアの楽しみは乗馬で唯一の心の支えでした。

ある時、骨董店で見かけて気になっていた翼を持つ小馬の像を買ったのですが、今回はそれが時空を越える護符になっていたのです。
ストラヴァガントして16世紀のレモーラに着いたジョージア
そこは雄羊区の馬親方パオロの馬屋で、幸運のしるしである翼を持つ馬が誕生したところでした。
パオロの家で世話になり、息子のチェーザレとも仲良くなったジョージアは、町をあげての祭りである星競馬が近い頃だと聞きます。
レモーラの町は12区に分かれていて、区の名前は占星術の12宮からとられています。
12区はタリア各地の都市と同盟関係を持っていて雄羊区はベレッツァと友好関係を結んでいました。

ジョージア公爵家の兄弟ガエターノとファルコと知り合い、同じストラヴァガンテ達とも出会います。
ストラヴァガンテの中にはもとの世界で死んだルシアンもいて・・・
公爵の陰謀も絡みながらジョージアの手に汗握る冒険が繰り広げられます。

かなり分厚い本だったけれど、読み始めると夢中になって楽しめました。
物語の舞台であるイタリアに似ているタリア国は、現実と重なる部分もあって、とても魅力的です。
前巻ではヴェネツィアに似たベレッツァでしたが、今回のレモーラの星競馬も実際にシエナの競馬(パリオ)と重なるようで、イタリアの人達が読むとより楽しめるんだろうなと思いました。

レモーラが自分の居場所だと思えるほど気に入ってしまったジョージア
ルチアーノのようにレモーラに住むことを選ぶこともできるけれど、ちゃんと現代に戻ったのはホッとしました。
ルチアーノは現代では病気だったし、護符を取られてしまったので仕方なかった部分もあったとは思いますが。
ジョージアが成長して変わっていく様子がよかったです。
冒険を経て自信もつき、少し強くなったジョージア
固く閉ざされていた心がほぐれてきたようで本当によかったと思いました。

「どんなことだろうと、永久につづきはしない。それをわすれてはだめだよ。いいことも、悪いことも、だ」
ジョージアからラッセルのことを聞いた馬親方パオロの言葉です。
これは人生の色々なことに通じるいい言葉だと思いました。

最終巻『花の都』もすごく気になります。
ストラヴァガンテについて調べ始めている公爵が深くかかわってきそうで楽しみです。

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ときわ姫 > 私は主人公が男の子より女の子の方が好きということもあり、第一話よりこちらの方が好きです。こちらの世界に戻ってきたのも良かったです。最終巻、いつ出版されるのでしょうか?トントンさんご存じですか? (2006/03/20 15:55)
北原杏子 > 私も2巻のほうがより楽しめたという感じです。ジョージア、成長ぶりがよかったですよね。3巻はいつ出るのかな?「小学館のファンタジー」のサイトには2006年春、とだけあるから、もうそろそろでしょうか? (2006/03/20 23:46)
トントン > ときわ姫さん、私も女の子の主人公の方が好きです。好きな物語も女の子が活躍するものが多いような気がします。そうそうこちらに戻ったのもよかったですよね。最終巻は北原杏子さんがおっしゃるように2006年春とだけありましたが、3月、4月の発売予定にはなかったので5月?待ち遠しいですね。
北原杏子さん、私もこの巻の方が楽しめました。1巻でこの世界の設定に慣れたというのもあるんでしょうが、ジョージアに好感を持てたのが大きいのかなと思いました。小学館のファンタジーサイト私も見てきました。メアリ・ホフマンさんのHPもリンクされてましたね。日本版はちょっと違うかもしれないけれど「花の都」の表紙も見れましたよ♪ (2006/03/21 22:55)
北原杏子 > 私も行ってきました。本の表紙も見ました。あとゲームも。神経衰弱みたいなの、絵が可愛かったです。ストラヴァガンザの地図なんかもありましたね。 (2006/03/21 23:55)
すもも > おもしろそうですね。本屋で目にしては気になっていたのですが。図書館で探してみたいと思います。 (2006/03/22 10:25)
トントン > 北原杏子さん、ゲームもされたんですね。ストラヴァガンザの地図や秘密の部屋もあって本格的ですよね。私もまた見てこようっと♪
すももさんもこのシリーズ気になってたんですね。もうすぐ3巻も出るらしいので読むのにはいい時期かもしれませんよ^^ (2006/03/22 21:52)
もいか > 私も発売日が気になってもう発売しているんじゃないかと思いながら花の都の発売日を調べていました。5月ですか。今月ではなかったんですね。あぁ、楽しみです!! (2006/04/15 16:19)
トントン > もいかさん、初めまして♪発売日・・・春とあったので5月かなと思ってたんです(^0^;)でも先日、小学館のサイトで5月の発売予定が出てたので見たら載ってなかったんですよ。ちょっと遅れるのかもしれませんね。私も早く読みたいです! (2006/04/16 23:16)
愛音 > やっとこさ出ましたね,「花の都」!手持ち不足でまだ買えてないのですが,立ち読みして読んでます。(おい)
そういえば,英国のストラヴァガンザHPに行ったらストラヴァガンザの新作が出るらしいですね。大学に通うルチアーノを男装したアリアンナが訪ねた所に新しいストラヴァガンテがやってきて・・・という話だそうです。2007年に英国で発売,となると日本で出されて’08か’09年?!あぁ,花の都が完結して間もないのに,もう続きが楽しみになるなんて欲張りですね。だって,3巻エピローグが萌え死にしそうな勢いでしたもん。 (2006/12/03 12:10)
トントン > 愛音さん、初めまして(かな?)『花の都』ついに発売したんですね。私は図書館派なので読むのは先だと思いますが、すごく楽しみです。そして新作まで発売予定とは!愛音さんの紹介されている文章で既に待ち遠しくなってしまいます。情報ありがとうございました^^ (2006/12/03 23:27)


[★★★★][江國香織]

とるにたらないものもの

とるにたらないものもの

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江國さんの小説は好きなのと苦手なのがあるけれど、エッセイはとても好きです。
独特の感性があふれ出してる感じがして、小説とはまた違ったより自然な文章も好きです。
自分と同じように感じている部分もごくたまにあるのもうれしい。

これは題名のとおり、「とるにたらないものもの」について綴られたエッセイで、緑いろの信号から始まり、焼き鳥、お風呂(江國さんらしい)、支度、砂糖、大笑いなど60個。
江國さんが書くと、輪ゴムや食器用スポンジもみんな素敵に思えるのが不思議です。
自分と共通する部分があり印象に残ったのが地図、電話。
いいなと思ったのがケーキ、まめご、ピンクでした。

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ミワ > トントンさん、こんばんは★
江國さんの小説は好きなのと苦手なのがある、とおっしゃること、すごくわかります。なんとなく江國さんの小説のイメージが固まってしまってて、う〜む、と思っていたのですが、『間宮兄弟』を読んでちょっとびっくりして、また読んでみようかなと思ったりしていました。エッセイは未読なのですが、わたしもエッセイの方が気になるかも〜。 (2006/03/22 23:25)
トントン > ミワさん、こんばんは♪好きなのと苦手なのがあるという部分、ミワさんに共感してもらえてうれしいです。『間宮兄弟』は未読なんですが(オタクの話だったような?)これまでの江國さんのイメージとは違うんですね。エッセイいいですよ!私の勝手な想像ですがミワさんはお好きかなと思ってしまいました^^ (2006/03/24 22:17)
キイロイトリ > こんばんは。江國さんのエッセイはあまり読んだことがないのですが、おもしろそうですね♪「間宮兄弟」は私も読んでおもしろかったです。今までの江國さんの小説とまた違った感じを受けました。 (2006/03/25 19:42)
トントン > キイロイトリさん、こんばんは♪エッセイ私も数冊だけなのですが、小説とはまた違った魅力もあっておすすめですよ。『間宮兄弟キイロイトリさんも読まれたんですね。違った感じ・・・興味あります。私も機会を見つけて読んでみたいと思います。 (2006/03/27 19:21)