はぴの本棚

2003年からの読書日記

暮らしのポケット―「少し」の生活をたのしむコツ作者: 山本ふみこ出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2002/12メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (4件) を見る

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山本ふみこさんのエッセイです。

以前読んだのもよかったけれど、こちらも気に入りました。
日々の暮らしを大切にしている様子が伝わってきます。
文章もいい感じで力が抜けていてそれがまた素敵です。
ところどころ描かれているイラストもかわいいし、真似したくなるおいしそうなレシピもたくさんありました。

気になったのは、ゆで卵のお茶漬け、タイ風カレー、雑穀シチュー、梅シロップなど。
梅シロップは祖母が以前毎年のように作ってくれていて、楽しみに少しずつ飲んでいたなと懐かしく読みました。

あちこちに書き写したくなるような言葉も多くて、手もとに置いておきたいなあと思うような本でした。


気に入った文章を少し抜粋しておきます。

「ていねいに生きるということは、顔をしかめて長い時間働くことではない。
限られた時間に、疲れたときでも別な神経をのばして、運動のつもりで料理をつくり出すと、ねむっていたところが目を覚まし、身体のバランスが回復します」

阿部なをさんの本『葱とわかめと油揚げ』前書きより


便利な暮らし、それはほんとは不便(=つごうの悪い事態)からのメッセージを受けとり、その手に実力をつけていくひとの暮らしのことじゃないかなあ。


子どもは親のすることをよく見て、自分自身の所作や考え方、感じ方に写しとっていく鏡みたいな存在なのだから、口うるさく言うよりなにより、自分が変わることだ。

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澪 > こんにちは。先日は嬉しい内容の書き込み、ありがとうございました。梅シロップ、梅雨の時期になるとよく作るのですが、ソーダ水とまぜて梅ソーダにして飲むのが好きなんです。ホワイトリカーと氷砂糖を買ってきて梅酒も作ります。 (2006/02/22 15:25)
トントン > 澪さん、こんばんは♪こちらにも来て下さってありがとうございます。梅シロップ、澪さんは作られるんですね!梅ソーダも梅酒も自家製だとおいしさも格別でしょうね。私もいつか作ってみたいです。 (2006/02/22 22:08)
ちゃこたろ > トントンさん、お久しぶりです。山本ふみこさんの本、ほのぼのしていて私も好きです。実家の庭には梅の木が真ん中にすっと立っているので毎年親が漬け込んだ梅シロップを愉しみにしています(笑)夏はかき氷にかけて食べるのが美味しいのです♪ (2006/06/18 12:20)
トントン > ちゃこたろさん、こちらにもありがとうございます。山本ふみこさんの本、素敵ですよね。私も大好きです!ちゃこたろさんのご実家には梅の木があるんですね。毎年自家製の梅シロップが楽しめるなんてうらやましい!ふふ、実は私、梅シロップ今年初挑戦してるんです^^美味しくできるといいな。成功したらかき氷にかけて食べるのもぜひやってみたいです。 (2006/06/18 21:58)


[★★★★][児童書・YA][海外の作家(その他)]

チョコレート工場の秘密 (児童図書館・文学の部屋)

チョコレート工場の秘密 (児童図書館・文学の部屋)

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田村隆一訳です。
新訳も気になっているけれど借りられたのはこちらだったので。
またいつか読み比べもしてみたいと思います。

すごく有名で題名も聞いたことがあったんですが、読んだのは初めて。
日本では昭和47年に出版されているとのこと。
30年以上前なのに全然古さを感じさせないのがすごいと思いました。
とても面白くて夢中で読みました。
子どもの頃に出会いたかったなあと思う一冊です。

主人公はチャーリー・バケット少年。
両親と双方の祖父母と7人で住んでいるのですが、とても貧しい暮らしで食事もなんとか飢え死にしないくらいがやっと。
みんないつもおなかをすかせていました。
祖父母達が高齢で一つのベッドにみんなで寝ているのもびっくり。

そんな貧しい生活でしたが、チャーリーは誕生日だけはチョコレートがもらえるのでした。
チャーリーが大事そうに少しずつチョコレートを食べる場面が印象に残っています。
少しずつ大切に味わって食べる喜び、いいなと思いました。
子どもの頃はおいしいものをそうやって食べた思い出があります。

チャーリーの家の近くにワンカ氏が経営している有名なチョコレート工場がありました。
そこの扉はある時から閉ざされてしまい、それ以来誰も入ったものはなかったのですが、チョコの中に入っている金色の券を見つけた幸運な5人の子どもが、初めて工場に招待されることになりました。
誕生日にしかチョコがもらえないチャーリーは工場に行けるのでしょうか・・・?

チャーリーが券をすぐに手に入れるわけではなかったので、ドキドキしながらページをめくりました。
いつ手に入れるのか想像しながら読むのが面白かったです。
それに工場の中の描写が夢があってとても素晴らしい!
本当にこんなチョコレート工場があればいいのにと思ってしまうくらいでした。

登場人物もみんな魅力的でした。
チャーリーのおじいさん(ジョーおじいさん)がまず素敵。
チャーリーを可愛がっていて大切にしている様子が伝わってきます。
チャーリーも祖父母を大切に思っていてやさしい少年なのがいいです。

でも抜群な存在感はやっぱりワンカさん。
いつも笑顔で天才肌だけど、どこか怪しくて不思議な感じ。
ウンパ・ルンパ族も姿はかわいらしいんだけど、その歌は独特で風刺が効いていて面白いなあと思いました。

招待された子ども達もかなり強烈な人物ばかり。
食いしん坊な子、わがまま放題の子、ガムが大好きで食事時以外はずっとかみ続けている子、テレビ大好きな子など・・・
でもそんな子にしたのはその親たちなんですよね。
ウンパ・ルンパの歌でもそれが鋭く指摘されていました。

子どもが読むと素直に楽しめるし、大人ももちろん面白く読めるんだけれど、時々ピリッと胡椒のように効く文章が出てきて、ちょっと自分を省みたくなるような部分があるんじゃないかと思いました。

姉妹編『ガラスのエレベーター宇宙にとびだす』の存在も初めて知りました。
これからもロアルド・ダール作品を読んでいきたいです。

この作品がどんな感じで映像化されたのかも興味があります。
映画は観られなかったので残念だったけれど、DVDかビデオでぜひ観たいと思いました。

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ぱせり > ホント、30年以上前の本だなんてうそみたいですね。チャーリーが券を手に入れるまでがどきどきだったし、工場に入ってからもおもしろかったです。あんな工場、あったら、子どもじゃなくても行ってみたいです。ピリッと胡椒のように効く文章、わたしも自分を思わず省みてしまってどきどきしてしまいました。 (2006/02/10 09:19)
トントン > ぱせりさん、こんばんは♪本当に出版年を見てびっくりしてしまいました。チャーリーが券を手に入れるのは簡単にだと思い込んでいたので、工場に行くまでの過程がドキドキして楽しかったです。チョコレート工場、夢のある素敵な場所でしたね。本当にあったらぜひ行ってみたい!でもチョコのように甘いだけでもないお話なんですよね。時々あるピリッとした文章にちょっとドキッとしました。 (2006/02/10 22:51)
カルミア > トントンさん、私もこの本読んでみたいと思っています(でもなかなかなんです)。新しい訳と前のとどちらにしようか迷います。映画はみました。すごい独特な感じでしたよ。本はどんなのか、楽しみです。 (2006/02/11 18:38)
ケイ > こんばんは〜私は旧訳でしたが、おもしろかった。かなり手厳しい展開でしたが、、この映画子どもたちがおもしろかったといまだにいいます。映画もおもしろいと思います。特に工場で働く小人たちが。。ということです。チョコレート一枚でも、買えない。そんな現実にはっとしました。トントンさん、またね。 (2006/02/12 21:52)
トントン > カルミアさん、こんばんは♪映画観られたんですね。すごい独特な感じ・・・ビデオで観るのが楽しみです。そうそう訳二つあると迷いますよね。私は図書館で旧訳を借りたんですけどいつか新訳も読みたいと思っています。カルミアさんの感想も楽しみに待ってますね!
>ケイさん、こんばんは♪ケイさんも旧訳で読まれたんですね。映画お子さん達も楽しまれたようで私もビデオでぜひ観ようと思ってます。ウンパ・ルンパは映像だとどんな感じなのか期待大です。たしかに楽しくて面白いだけじゃなくて手厳しい部分、ブラックな部分がありましたよね。チョコレート一枚でも、買えない現実って現代の私たちには想像するのも難しいですよね・・・冒頭のチャーリーの暮らしはかなり貧しくて本当に驚きました。ケイさん、またお話しましょうね♪ (2006/02/13 23:12)