はぴの本棚

2003年からの読書日記

沼地のある森を抜けて作者: 梨木香歩出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/08/30メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 19回この商品を含むブログ (179件) を見る

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ぬか床から人が生まれる話と聞いたので、ホラーっぽいのかなと思っていたけれど、そこはさすが梨木さん!
ちょっと不気味な部分はあったけれど、ただのおどろおどろしい話ではなかったです。
でもちょっとこれからはぬか漬けを食べる時、ふとこの話を思い出してしまうかも(笑)


主人公の久美は叔母が亡くなったのをきっかけに、先祖代々伝わってきたぬか床を相続することになるのですが、そのぬか床は普通のものとは違っていて・・・
久美の章とは別に、ところどころに「かつて風に靡く白銀の草原があったシマの話」の章が出てきます。
これがまた現代なのか過去なのかはたまた未来なのか?すごく不思議で最後になんとなくつながるような感じはしましたが、難しかったです。

こう書くとやっぱりどんな話だろうと思ってしまいますね。
ちょっと菌類の話が専門的でSFっぽい感じもしましたが、生命、家族、個性とは?人とのつながりについてなど色々考えてしまう物語でした。

人(生物もかな)は孤独だからつながりたい、分かりあいたいと思うのでしょうか?
私には難しすぎて、一度読んだだけでは梨木さんの伝えたいことが正直分かったとは思えないけれど、梨木さんの文章が好きな人ならぜひ読んでみて欲しい作品です。

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nanao > 難しいですよね、精読しないとわたしにもよくわかりませんでした。 (2006/01/25 01:05)
まゆ > わからないところもいっぱいあったのですが、妙に共感するところの多い、不思議な話でした。いずれ、ちゃんと読み返そうと思って買ったのですが、いざとなるとこの世界に再び足を踏み入れる勇気が・・・。 (2006/01/25 21:08)
トントン > nanaoさん、難しかったですね〜何度も再読して分かることがあるように思いました。でも梨木さんの作品は好きだなと再確認できてよかったです。
>まゆさん、私も分からない部分が多かったけれど、共感するところがけっこうあって不思議な感じがしました。
>この世界に再び足を踏み入れる勇気が・・・というまゆさんの気持ち分かる気がします。私も何年か経ってから再読してみたいです。 (2006/01/26 15:23)
three bells > 不思議な感じではあったのですが違和感は無く好きでした。生命の繋がりのようなもの感じました。 (2006/01/26 19:34)
トントン > three bellsさんもこの雰囲気、お好きだったんですね。生命の繋がり・・・本当にそうですよね。梨木さんの本には必ずといっていいほど入っているテーマだけど今回もぐっときてしまいました。 (2006/01/27 22:20)
ぱせり > 難しかったです。最初の「フリオ」と「カッサンドラ」の話がしみじみとよかったです。そのあと(でしたっけ)、「シマ」の話が出てきて、ちょっととまどいました。あのおばたち、高楼方子さんの「時計坂・・・」に出てくるマトリョーシカみたいな姉妹(?)を連想していました。現実の世界とどう繋がるのかわからないけど、同時進行でなんとなくリンクする物語が進行中なんだな、と思いながら読みました。
トントンさんの「人(生物もかな)は孤独だからつながりたい、分かりあいたいと思うのでしょうか?」なんとなくわかるような。
わからないけど、わたしもこの文章、好きです。 (2006/01/28 09:23)
トントン > ぱせりさん、こんにちは♪「フリオ」「カッサンドラ」の話よかったですね。「シマ」の話が入るとまた難しい感じになりましたが・・・ほんと、叔母がたくさん!で混乱しました。「時計坂・・・」に出てくるマトリョーシカみたいな姉妹、ちょっと記憶が怪しいけれどありましたね♪感想のところ、ぱせりさんになんとなくわかるような。と言っていただけてうれしかったです^^そうそう、わからないけど、好きなんですよね! (2006/01/29 15:34)