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2003年からの読書日記

読書力 (岩波新書)作者: 齋藤孝出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2002/09/20メディア: 新書購入: 20人 クリック: 358回この商品を含むブログ (219件) を見る

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これも母から借りました。だいぶ前に話題になった新書です。

この本のテーマは「単なる娯楽のための読書ではなく」、「多少とも精神の緊張を伴う読書」で、文庫百冊、新書五十冊を読んだ(有効期限は4年)というのを、「読書力がある」ラインとして設定しています。
ただし、ここでいう文庫本は推理小説や完全な娯楽本を除いたもので、イメージとしては新潮文庫の百冊のラインナップのようなものだそうです。

読書大好きでけっこう読んでいると思っていた私ですが、この本に載っているリストの本(「読書力」おすすめブックリスト)は、ほとんど読んでいなかったのがショックでした。

著者に言わせれば、楽しむための読書はしているけれど、「精神の緊張を伴う読書」をしていないということなんでしょう。
本プロで少しずつ読書の幅は広がってきたものの、「精神の緊張が伴う読書」はまだまだ避けているのかもしれないと思いました。


序 読書力とは何か
第一章 自分をつくるー自己形成としての読書
第二章 自分を鍛えるー読書はスポーツだ
第三章 自分を広げるー読書はコミュニケーション力の基礎だ


新書は要点がコンパクトにまとめられていて読みやすく、またしてもたくさん付箋がついてしまいました。


印象に残った内容をいくつかあげておきます。

私は買うより図書館で借りる方が断然多くそれでいいと思っていたのですが、「本は借りるものではなく買って読むものだ」という理由を読んでなるほどと思いました。

>読書文化が出版文化と結びついている〜
売れない本は、どんな言い本でも品切れ、絶版になっていく運命にある。
本の善し悪しと売れる売れないは直接の関係がない。
素晴らしい本が次々に品切れになっている。
本を読む力のない人が増えれば、濃い内容の硬い本が売れなくなる。
すると、そのような本は品切れになるばかりか、そもそも出版させてもらえなくなる。

次々買っていると置き場所がかなり問題ですが、いい本を出版界が維持できるよう、微力ですが本を買おうと思いました。


読書はスポーツ=技としてとらえ、自然に身につくものではないが、スポーツと同じく身体的行為であり、練習することで上達するものだという視点は面白いと思いました。

上達するステップとして1〜4をあげていました。
1 読み聞かせ
2 自分で声に出して読む
3 線を引きながら読む
4 読書のギアチェンジ(緩急をつけて読む)



「本を読んだら人に話す」というのはまさに本プロでやっていることだと思いました。
ネット上なので実際に話すというのではないけれど、自分の感想を延べ色々な人に意見をもらったり、自分がそれに対して発言することで、本の記憶が定着するし、人の意見で新たに気づくこともあり、より内容が深まっていくと思いました。


興味のある内容だったというのもありますが、読書というものを色々な視点で見ることができてよかったです。

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キイロイトリ > 文庫百冊、新書五十冊で「読書力がある」ラインですか、厳しいですね〜。精神の緊張、というよりも娯楽のために読むことが多い私なのでちょっと耳が痛いですが、、来年は実用書も読んでいきたいなと思ってます。 (2005/12/19 19:01)
カルミア > トントンさん、こんばんは。私も以前読みました。確か、この本に「ギルガメシュ王ものがたり」の絵本が紹介されてて、(正確には「読書力」に「ギルガメシュ〜」が紹介されているという文章をどこかで読んで)どちらにも興味持ったんですよ。新書はほとんど読んでいない時で、ちょっと難しかったけど興味深かったですね。そうですか、緊張を伴う読書について書かれていたんでしたね。好き勝手に読んでる私ですが(汗)、ええ、読んだ本についてひかえておくだけでも身についているものがあると感じる今日この頃です。いろんな読書の仕方でも歩んでゆければいいですね♪ (2005/12/19 19:51)
ケイ > こんばんは〜読書のあり方。前、幸田露伴をつかえながら、読んだ時に、居住まいを正して、きちんと正座して書に向かうべし。みたいに書いてあって、、露伴先生からしたら、ソファで寝転がって読むなんて言語道断!なんだなあと思ったりしました。。爆。すごい本でしたけど、漢字が読めなくてね。コメント、長いけど。それ思い出しました。活字が貴重だった時代が脳裏にある人とない人。読書も人それぞれなんですよね。最近、本をある程度読んだら、もうちょっと本の世界が理解出来るかと思いましたが、逆で、ますますいろんな価値観があるし、、深いですねぇ。本の世界。難しい内容だから、高尚とも限らないかなとは思いますが、自分にとってちょっとステップアップした本を選ぶと、励みになるかもしれないね。新書なんてまさにそうかも。私も参考にしておこう、、最近のトントンさん、考える読書されてますねぇ。 (2005/12/19 20:28)
トントン > キイロイトリさん、そうなんです!けっこう厳しいラインですよね。私も娯楽のための読書が多いので(それが悪いとは著者も言ってないと思いますが)これからは精神の緊張する読書も取り入れつつバランスよく読んでいきたいと思いました。
カルミアさん、こんばんは♪「ギルガメッシュ王ものがたり」の絵本、紹介されていましたね。これ、初めて知ったので私も興味がわきました。精神の緊張を伴う読書〜大事だとは思うんですが、そればかりだと息が詰まりますよね(笑)自分の興味のあるものを読むのはとてもいいと私は思っているので、バランスをとりつつ読みたいです。読んだ本について記録することは本当に大事ですよね。こうやって本プロで皆さんとお話できることもすごく身になっていると思います^^
ケイさん、こんばんは♪幸田露伴、これも母が何冊か持っていたような(笑)今度読んでみたいと思います。居住まいを正して、きちんと正座して書に向かうべし・・・ですか!私「けしからん!」と怒られる読み方かも。
>本をある程度読んだら、もうちょっと本の世界が理解できると思いましたが〜ますますいろんな価値観があるし・・・というケイさんの言葉分かる気がします。齋藤さんもこの本に書いていましたが、読書することで培われることの一つに「矛盾しあう複雑なものを心の中に共存させること」があるとのこと。ケイさんのおっしゃっていることとつながっているような気がしました。読書で色々な人の生き方や考え方をたくさん学べるのはいいことですよね。私、最近考える読書になってますか?ケイさんこそ精神の緊張を伴ういい読書をされてるなあと思ってます。自分にとってちょっとステップアップできる本、少しずつ取り入れていきたいです。私こそ長々書いてしまいました^^ (2005/12/19 21:23)
すもも > 「精神の緊張を伴う読書」をすると、心地よい睡魔に襲われてしまいます(爆)「読書はスポーツ」という捉え方は、ともてもおもしろいと思いました。 (2006/01/07 18:00)
すもも > ↑「ともても」は、「とても」の打ちミスです。失礼しました。 (2006/01/07 18:02)
トントン > すももさん、心地よい睡魔(笑)私もそうなのでよく分かります。娯楽の読書と共にバランスよく読みたいなと思ってますがなかなか・・・「読書はスポーツ」って考え方面白いですよね。私もなるほどなあと思った部分でした。 (2006/01/07 22:30)