はぴの本棚

2003年からの読書日記

図書館の神様作者: 瀬尾まいこ出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 2003/12/18メディア: 単行本 クリック: 43回この商品を含むブログ (235件) を見る

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『卵の緒』がすごく良かったのでこちらも早速読んでみました。
瀬尾さんが中学校の講師をされているからか、学校の様子とか先生や生徒の感じがリアルに思えました。
実は私も教員養成系の大学に通ったので免許をいくつか持っているのですが、色々な理由で結局教師の道はあきらめました。
自分で決めたことだから今は満足しているし、現在の自分もけっこう好きですが実習や採用試験など過去が色々思い出されて痛い・・・と思いつつ読みました。

主人公は高校の国語講師をしている清(きよ)。
学生時代はバレーボールに熱中していましたが、ある事件をきっかけにバレーをあきらめてしまいます。
国語の講師になった清はバレーボールの顧問になりたかったのですが、文芸部(部員一人)の顧問になってしまいます。
国語にはちっとも関心がない清でしたが、たった一人の部員垣内君に出会い少しずつ変わっていきます。

いつも正しくあることに重きをおいていた清。
自分に厳しく、他人にも厳しく真面目にまっすぐに学生時代を過ごしていた清。
学生時代の私と似たようなところがあったので、清が痛々しくて読むのが苦しい時もありました。

正しいとか真面目というのは必要だけれど、ずっとそれだけでは肩も凝るし体も辛い。
清の学生時代は知らず知らずのうちに自分をがんじがらめにして苦しかったんだろうなと思いました。
肩の力がうまい具合に抜けたくらいでちょうどいいんでしょうね。(やっぱり不倫は肯定できませんが・・・)
瀬尾さんの次回作がますます待ち遠しくなりました。

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まゆ > 私にはある意味痛すぎました(苦笑)清みたいなとこのある人間なもので。でも、とっても好きな話でした。 (2004/06/01 20:04)
トントン > まゆさんは学校の先生でしたよね。私も清と自分が重なってる部分が少しあって入り込んで読めました。痛いけどいい話でしたよね! (2004/06/02 09:48)
ハイジ > 私は、清が見たら軽蔑するような、たる〜い学生時代を送ってしまった俗世にまみれた人間でしたが、なんだか共感できてしまう不思議な作品でした。確かに、痛い!!でも、とても心に残っています。 (2004/06/04 22:29)
トントン > ハイジさん、たる〜い学生生活もまたいいんじゃないかなと私は思いますよ。私の場合は高校生くらいまでは清のように「正しくあること」をかなり重視してたんだけど、大人になるにつれて力を抜く事を覚えました。心に残る話でしたね! (2004/06/07 09:20)