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2003年からの読書日記

ぬしさまへ しゃばけシリーズ 2作者: 畠中恵出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/05/01メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (48件) を見る

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しゃばけ』の続編。短編が6つ入っています。

このシリーズを初めて読んだ時にすごく気に入ったので、続編も読むのがすごく楽しみでした。
あいかわらず若だんなの一太郎は病弱で、妖達はめっぽう甘かったです。

でも今回は一太郎の成長が見られました。
事件を解決したり、妖達に頼るばかりではいけないという気持ちが芽生えてきて、病弱ながらもたくましさが出てきていてよかったです。

全体的にほんわかした感じだけれど、人の心の闇や不安・悩みからおこる事件も描かれていて考えさせられました。

どれもよかったけれど、特に印象に残ったのは前回も少し登場した一太郎の兄松之助の話「空のビードロ」でした。
(生きていればいつか何か、心が浮き立つようなことに出会えるに違いない)
奉公人に出されて苦労しながらもなんとか希望を持ち続けようとする松之助。
彼の気持ちに打たれました。
信じていた人に裏切られ、やけっぱちになって罪を犯そうとする松之助を思いとどまらせたもの・・・最後にジーンときました。

仁吉の千年に渡る恋の話「仁吉の思い人」もよかったです。
なぜか恩田陸の「ライオンハート」を思い出してしまいました。

江戸ものに興味が出てきたのでもっと読んでみたくなりました。


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あさこ > 江戸を舞台にした物語は、ふだんほとんど読まないのですがこのシリーズはとってもおもしろくて夢中になりました。「空のビードロ」いいですよね〜!ホロリときました。 (2004/05/10 23:42)
たばぞう > 「しゃばけ」が文庫落ちしましたね。「しゃばけ」も「ぬしさまへ」も図書館で借りましたが、どちらもすごく好きです。続きも書いてほしいですよね。 (2004/05/11 00:12)
すもも > 某ローカル新聞の読書コーナーで畠中さんの紹介記事を読んで、図書館に予約しようと思ってました。「しゃばげ」が先なのですね。楽しみです。 (2004/05/11 10:07)
トントン > あさこさん、畠中さんの作品を読んでから江戸の物語に興味が出てきて驚いてます。みなさんの感想を読んできましたが「空のビードロ」人気ありますね。
たばぞうさん、「しゃばけ」文庫化ですか!知らなかったです。続編出て欲しいですね。
すももさん、以前本プロで話題になってた時「しゃばけ」を読んではまりました。ぜひ読んでみてくださいね! (2004/05/11 12:49)
ざしきぼっこ > わたしも「空のビードロ」大好きでした。主脇逆転した作品ですが、この短編が含まれることで、この本全体に温かみがでたというか、単に面白いだけではない良い作品集になっていると思います。 (2004/05/11 16:25)
まゆ > 「空のビードロ」、よいですね。「仁吉の思い人」もすごく好きでした。このシリーズ以外の新刊が出るらしいですが、この続きも書いてほしいなあ。 (2004/05/11 20:55)
トントン > ざしきぼっこさん、面白いだけでなくホロッとさせられる短編集でしたね。松之助は辛い境遇だったのにまっすぐな性格でさすが一太郎の兄だと思わされました。
まゆさん、このシリーズ以外の新刊ですか!楽しみだけどこちらの続きも早く出して欲しいですね。 (2004/05/12 20:59)