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2003年からの読書日記

卵の緒作者: 瀬尾まいこ出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 2002/11メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (130件) を見る

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初瀬尾さんです。本プロでの評判どおりとっても素敵な小説でした。

「卵の緒」「7's blood」が収められています。
どちらも良かったけれど、私は「卵の緒」の方が好みでした。

育生は小学生。父親はなく母と暮らしています。
自分はひょっとして捨て子じゃないかという疑惑を持ち聞き出そうとしますが・・・

>母さん、育生は卵で産んだの。だから、へその緒じゃなくて、卵の殻を置いているの

母の答えは突拍子もないものでした。

まず育生くんがとってもかわいい♪
それにお母さん。最高にユニークなんだけれど愛情にあふれていてよかったです。
友達の池内くん、母と同じ職場の男性朝ちゃんも魅力的な登場人物でした。

短編どちらも、ちょっと複雑な家庭の話なんですが、読んでいてあったかい気持ちになれました。

>親子の絆は掴みどころがなくてとても確かなもの。だいたい大切なものはみんなそうだ。

最後の育生の言葉がとっても印象に残りました。

けっこう薄い本なので読み終わるのが惜しかったです。
『図書館の神様』も期待大です。

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うちゃこ > 初めまして、こんばんは。私まだ読んでいないんですが、6/26にNHK-FMでラジオドラマとして放送されるのでそっちを先に聞いてみようと思います〜。 (2004/05/13 17:36)
まゆ > 「卵の緒」っていう発想がすごいなあと思いました。私は池内くんがけっこうお気に入りです。でも目の前にこういう子がいたら怖いなあ。 (2004/05/13 19:50)
ざしきぼっこ > お母さんの豪快さが、育生に対する強い愛情と自身の強さから来ているのが伝わってきて、すごく好きでした。 (2004/05/13 20:40)
トントン > うちゃこさん、初めまして。ラジオドラマがあるんですね!どんな感じになるんだろう?小説もぜひ読んでみてくださいね。
まゆさん、タイトルのつけ方が上手ですよね。池内くん私もけっこう好きでした。たしかに実際いるとどう対応していいのやら・・・
ざしきぼっこさん、とにかくすごいお母さんでしたね。でも育生への愛情はすごく感じました。 (2004/05/13 21:04)
たばぞう > 「図書館の神様」も良質な1冊です。瀬尾さん、確か学校の先生だと思ったのですが、そんな彼女ならではの作品といいましょうか。 (2004/05/14 12:47)
トントン > たばぞうさん、瀬尾さんは先生をしつつ小説を書いてるんですよね。すごいなあと思います。
図書館にいつもお世話になっている身としてはすごく楽しみな作品なので近いうちに読めたらいいと思います。 (2004/05/15 19:07)


[★★★]

オリガ・モリソヴナの反語法

オリガ・モリソヴナの反語法

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前から読もうと思っていてなかなか手が出せなかった本です。
黒い表紙の印象が難しそうな小説と思わせたのかも。
最近読みやすい小説が多かったので特に取り掛かるのにヨイショがいりました。
タイトルは人物の名前だったんですね。読み始めて分かりました。

弘世志摩は少女時代ソビエト学校に数年間通っていました。
そこで強烈な個性と独特の反語法で指導するダンス教師オリガ・モリソヴナに出会います。
またオリガと仲の良いフランス語教師エレオノーラ・ミハイロヴナという一風変わった人物もいました。
彼女達はなぜかアルジェリアという言葉に異常におびえていました。

42歳になった志摩はダンサーの夢をあきらめ、ロシア語の翻訳をしています。
ソ連邦が崩壊した翌年、オリガとエレオノーラの謎を解き明かすためロシアを訪れるのですが・・・

想像していた以上に壮絶な物語でした。
彼女達の謎を解いていく過程も興味深かったけれど、歴史の重さ・凄まじさに驚きました。
ソビエトの歴史や粛清・ラーゲリ強制収容所)についてもほとんど知識のない私はついていくのが大変でした。
でも読むことで少しでも知ることができた事はよかったです。
自分の知らないことがまだまだたくさんあると改めて思わされました。

本プロで紹介されなかったら出会ってなかっただろう本なので感謝感謝です。

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まゆ > こういう世界があったのだ、ということを知ってもらうためにも(もちろんこれはフィクションですが)、多くの人に読んでもらいたい一冊です。読み応えのある物語ですね。 (2004/05/13 19:52)
ざしきぼっこ > トントンさんも読まれましたね。私もトントンさんと同じような感想を持ちました。読みやすい小説ではないのですが、内容の凄まじさに圧倒されてしまって・・。 (2004/05/13 20:42)
トントン > まゆさん、フィクションだけどすごい迫力でしたね。読書の世界が広がった気がします。
ざしきぼっこさん、やっと読めました!取り掛かるのに時間がかかったけど頑張って読んだ価値があったと思います。 (2004/05/13 21:05)
たばぞう > 最近また少し本プロでタイトルを見かけますね。私は去年読んだ中ではNO.1な本でした〜。 (2004/05/14 12:45)
トントン > 私にはかなり難しい内容でしたが読み応えがある作品でした!たまには頭をフル回転させて読むのもいいですね。 (2004/05/15 19:08)