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2003年からの読書日記

からくりからくさ (新潮文庫)作者: 梨木香歩出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2001/12/26メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 22回この商品を含むブログ (149件) を見る

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まゆさんの日記でこの本に興味を持ち、早速読みました。
以前、途中断念したこともあって最初は不安でしたが今回はすぐに物語の世界に入れました。
今がちょうど読むのにふさわしい時期だったのかもしれません。

蓉子の祖母が残した古い家で四人の女性が共同生活を始めます。
蓉子、紀久、与希子、マーガレット、それぞれが手仕事をしているのが共通点。
りかさんという不思議な人形を中心として物語は淡々と穏やかに進んでいくのですが・・・

登場人物が魅力的で、読み進めていくうち一人一人に感情移入していきました。
染織や植物や能面について詳しく知らないので戸惑うところがたくさんあったけれど、読んでよかったと思います。
読んでいて急に涙ぐんでしまった自分に驚いたりもしました。
泣くところはないはずなのに不思議な気がしました。

一番印象に残ったのは紀久の手紙の中の言葉です。

>生きて生活していればそれだけで何かが伝わっていく

私はいつか、人は何かを探すために生きるんだといいましたね。
でも、本当はそうじゃなかった。

人はきっと、日常を生き抜くために生まれるのです。
そしてそのことを伝えるために


紀久の言葉がまだ完全には掴めないけれど、人が生まれてくるのってそういうことかもしれないと思いました。

今度は『りかさん』も読みたいです。

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さくら > 伝統文化がとても心に響いてきました。とても好みの設定で好きな作品です。この本で初めて梨木さんの作品と出会いましたが、最初に手に取ったのがこれで良かった〜と思っています。 (2003/07/27 11:35)
まゆ > トントンさん、読まれましたね。私もまさに同じところに惹かれました。本当に、泣ける話ではないはずなのに、泣きそうになりながら読んでました。「りかさん」もぜひ!「からくりからくさ」の世界が、また深まりますよ〜。 (2003/07/27 17:49)
トントン > さくらさん、私もこの作品を今読めてよかったと思います。伝統文化に詳しかったらもっと物語に入れたかもしれないけど登場人物みんな好きになりました。
まゆさん、私も自分が泣きそうになるのが不思議でした。「りかさん」は残念ながらなかったので「裏庭」を借りました。読んだら感想をUPしようと思います。 (2003/07/27 22:29)
ハイジ > 私もトントンさんと同じところに感動してしまいました。「からくり〜」は最初半分はなんとなく読みづらかったんですが、後半の集中っぷりはすごかったです。よかったですよね。 (2003/07/29 16:41)
トントン > ハイジさん、こんばんは。読みづらい感じ、分かるような気がします。私も以前途中断念した経験があるので最初はおそるおそる読んでましたが、世界に入ったら一気でしたね。 (2003/07/30 18:55)