はぴの本棚

2003年からの読書日記

海賊とよばれた男 上作者: 百田尚樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/07/12メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 74回この商品を含むブログ (100件) を見る海賊とよばれた男 下作者: 百田尚樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/07/12メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 38回この商品を含むブログ (79件) を見る

「一人の馘首もならん!」。
異端の石油会社国岡商店を率いる国岡鐵造は瓦礫の前に立ち尽くす店員たちにこう告げた。
終戦ですべてを失った国岡鐵造は、再び立ち上がる。
だがその前に立ちはだかるのは「7人の魔女」と呼ばれる巨大国際石油資本だった。

本屋大賞受賞作でなかったらきっと手に取らなかった作品。
国岡鐵造は石油元売会社出光興産の創業者である出光佐三さんをモデルにして書かれたとのこと。
読みにくいかもと思っていましたが、実際読み始めたら意外と楽しめたのでホッとしました。
ピンチの連続・・・ドラマのように波乱万丈な出来事の数々に驚きながら読みました。
史実をもとにした小説なのだからある程度は本当のことなんだろうけど、すごくスケールの大きい人だと感じました。
下巻で日章丸がイランから石油を持ち帰る新田船長らの旅は緊張の連続で目が離せなかったです。

父徳三郎の三つの教え「一所懸命に働くこと」「質素であること」「人のために尽くすこと」は今に通じる大切なことだと思います。
日田重太郎との出会い、最初の就職先で賀一郎に学んだ仕事に対する姿勢、国岡商店の優秀な店員達・・・多くの人達とのいい出会いがあってこれだけの大事業ができたんでしょうね。

最初の妻ユキ、二番目の妻多津子も素晴らしい女性だと思いました。
『永遠の零』の宮部がちらっと登場したのもびっくり。

普段読まないジャンルの小説を読むことができてよかったです。