はぴの本棚

2003年からの読書日記

十代のきみたちへ: ─ぜひ読んでほしい憲法の本作者: 日野原重明出版社/メーカー: 冨山房インターナショナル発売日: 2014/05/08メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る

日本国憲法は「いのちの泉」のようなもの。

いのちを守るということについて、これほどしっかりとつくられた憲法は世の中のどこにもありません。 人間の根本にかかわることが憲法に書かれています。
この本は、十代のきみたちに日本の憲法をわかりやすく説明するために書き下ろしたものです。……日本の憲法は、人間のいのちを安全に保つことを目的としてつくられたものなのですから、これをしっかり読み解けば、憲法を守るということは、平和な世界を築くために行動することであることがわかるはずです。このことをしっかりわかっていただきたいと思います。 (「あとがき」より)

10代になったばかりの長女(10歳)にはまだ難しかったようで残念でしたが、大人の私が勉強不足なのでいい機会となりました。
医師の日野原先生がなぜ憲法の本を?と思いましたが、その理由をまえがきで説明してくれています。
医師はいのちを守る仕事であること。
いのちを守る→平和な世の中→憲法(いのちを守る働きがある)なんですね。


>今の日本国憲法は「国民が大臣や天皇、国会議員、公務員に守らせる憲法」なのです。

案外知らない人が多いのかもしれないと思いました。
憲法改正の話がちらちら出ていますが、この部分は変えないで欲しいです。


>気をつけなければいけないのは、「自衛のための戦争」というのは、いくらでも広く考えることができるということです。

集団的自衛権について議論されている現在、よくよく考えなければいけないことだとドキッとしました。


日本の過去の憲法や世界の憲法について紹介されている部分も興味深く読みました。
アメリカの憲法はもとの条文を変えるのではなく、修正事項を追加するというのは初めて知りました。


>わたしがきみたちに持ってほしいのは、くやしい、つらい、にくいと思っても、仕返しをしないでゆるすという大きなこころです。みんながそれを持つようになると、世の中全体で本当にいのちを大切にすることができるようになります。〜「ゆるし」を実行するには、理性の力が必要です。



「きみたちにお願いしたいこと」は子ども大人関係なく大事なことだと思ったので、書き留めておきます。

・日本のよさ、日本人のよさをもう一度考えること
・争いでものごとは解決しないと知ること
・いのちの尊さや大切な人との出会いを知ること
・頭にきたら、少し間を置いて考えること
・自分をみがき、成長させてくれる人との出会いを大切にすること
・まわりの意見に流されず、自分の考えでものごとを判断すること
・これからの世界をどうするか、それはきみたちが決めること


日本で暮らせていることがどんなに恵まれていることなのか、自分の国の憲法をよく知らないのは情けないこと・・・本当にそうだと思いました。

紹介されていた『あたらしい憲法のはなし』田中和雄著も読んでみたくなりました。