はぴの本棚

2003年からの読書日記

舟を編む作者: 三浦しをん出版社/メーカー: 光文社発売日: 2011/09/17メディア: 単行本購入: 11人 クリック: 1,184回この商品を含むブログ (452件) を見る

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今年の本屋大賞受賞作です。
ノミネートされた時点で読みたいと思い図書館で予約していたのですが、やっと順番が回ってきました。
評判通りとてもよかった!



【辞書】言葉という大海原を航海するための船。
【辞書編集部】言葉の海を照らす灯台の明かり。
【辞書編集者】普通の人間。食べて、泣いて、笑って、恋をして。
ただ少し人より言葉の海で遊ぶのがすきなだけ。

玄武書房に勤める馬締光也。
営業部では変人として持て余されていたが、
人とは違う視点で言葉を捉える馬締は、
辞書編集部に迎えられる。新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。

定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、
徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。

個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。
言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく――。

しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか――。



しをんさんの小説の登場人物はキャラクターが立っていて毎回楽しませてもらうんですが、今回の主人公の名前も独特でした。
馬締(まじめ)光也、通称まじめなんて(笑)
辞書作りの才能を見い出された馬締がのめり込んでいく様子もよかったし、彼を応援し支える人々との絆もよかったです。


舟を編む」という言葉がまず素敵♪
本の装丁は大渡海そのものだったんですね。

言葉は時代とともに変わっていく生き物のようなものだというのはなるほどと思ったし、用例採集カードというのは初めて知りました。
辞書に使う紙を選ぶのに大変神経を使うこと、校正も多く五校もすること・・・本当に長年かけた一大事業なんだと感動しました。

辞書を見る目、触り方も(笑)なんだか変わりそうです。



小学生の頃、入学祝いだったか?プレゼントしてもらった大判の国語辞典がかなりお気に入りでした。
見出しにアンダーラインを引いたり、あちこちにチェックをつけたりしてボロボロになるまで読んでいた記憶があります。
今は簡単にネットで語句を検索できる時代になって辞書を手に取る機会は減ってしまったけれど、実際に辞書を引く方がより頭に入るような気がします。


この作品を読んでますます辞書に愛着が持てるような気がしました。
言海』は一度チェックしてみたいし、『広辞苑』をはじめとする中型辞書を一冊そばに置きたいなと思いました。

早くも来年春に映画化されるとのことで、(石井裕也監督。松田龍平宮崎あおい主演)こちらも観てみたいです。