はぴの本棚

2003年からの読書日記

【2011年】

1.私のベスト5

原発のウソ』小出裕章

『聖夜』佐藤多佳子

富士日記』上・中・下巻 武田百合子

『抱擁、あるいはライスには塩を』江國香織

『夜と霧』ヴィクトール・E・フランクル


(コメント)

順位をつけず印象に残ったものを5つ選びました。

原発のウソ』は、原発についてあまりにも知らなかった(知ろうとしてこなかった)自分を痛感させられました。
しんどい読書ですが、これからも少しずつ原発関連本を手に取りたいです。

『聖夜』は大好きな佐藤多佳子さんの作品。
自分が合唱をしていたこともあるけれど、音楽をテーマにした作品はやっぱり好きだと思いました。
人とつながる喜びを知っていく主人公の変化がよかった。
『第二音楽室』も印象に残りました。

富士日記』は去年の11月から少しずつ味わって読みました。
やっぱりただの日記とは違う・・・
あちこちにハッとする表現、感性のきらめきが感じられる文章でした。
武田百合子さんご自身が天性の才能を持っていたんだろうと思いました。

『抱擁、あるいはライスには塩を』はこれまで読んだ江國作品の中で(数少ないですが)ベストと言えるほど気に入りました。
なぜか三世代の家族の物語って惹かれます。
時代を経ていく中で変わるもの、変わらないもの・・・万華鏡のように色々な角度から柳島家を見る面白さ。
物語を堪能しました。

『夜と霧』はずっと読みたいと思っていたけれどなかなか手に取る勇気が出なかった作品。
驚いたのは、とても冷静な語り口で一歩引いた立場から書かれていたこと。
著者が心理学者なのもあるかもしれませんが、解放されてけっこう早い時期に書かれたものなのにそう感じられないのはすごいと思いました。
ユーモアを持つこと、自然への畏怖の心、自分を見失わないこと、未来を信じる気持ち・・・
自分を見失わないための魂の武器、心に盾をいかにたくさん持つことができるか、それが生死の境目になると感じました。
深く心に留めておきたいと思います。<児童書編>

『僕は、そして僕たちはどう生きるか』 梨木香歩著 理論社  

小惑星探査機「はやぶさ」宇宙の旅』佐藤真澄,渡辺勝巳著 汐文社  


(コメント)

『僕は、そして僕たちはどう生きるか』は久々に直球の梨木さんを読んだように思いました。
「考えなければいけない」という言葉もですが、他にも心に響く言葉がたくさんありました。
君たちはどう生きるか』もぜひ読みたいです。

小惑星探査機「はやぶさ」宇宙の旅』は読みやすく書かれていてよく理解できました。
月以外の天体表面からサンプルを採取したのは人類初の偉業だということ以外にもたくさん知らないことがありました。
はやぶさ君」と擬人化して呼ぶ気持ちも納得。

ナージャ希望の村 チェルノブイリ、いのちの大地』本橋成一著、『いちねんせいになったあなたへ』江國香織詩、井口真吾絵もよかったです。 <絵本編>

『クリスマスのまえのよる』クレメント・C・ムーア詩 ロジャー・デュボアザン絵 主婦の友社
『地球のかたちを哲学する』ギヨーム・デュプラ作 博多かおる訳 西村書店
『にぐるまひいて』ドナルド・ホール作 バーバラ・クーニー絵 もきかずこ訳 ほるぷ出版

『おやすみ、ぼく』アンドリュー・ダッド作 エマ・クエイ絵 落合恵子訳 クレヨンハウス
『しげちゃん』室井滋作 長谷川義史絵 金の星社
『どろんこのおともだち』バーバラ・マクリントック作 福本友美子訳 ほるぷ出版
『ひみつのカレーライス』井上荒野作 田中清代絵 アリス館
『ぶたにく』大西暢夫 写真・文 幻冬舎

どれも図書館で借りた本なのですが、特に『クリスマスのまえのよる』『地球のかたちを哲学する』『にぐるまひいて』は手もとに置いておきたいくらいお気に入りになりました。


2.来年読みたいと思っている作品

源氏物語瀬戸内寂聴訳 残り9巻
今年やっと手に取ることができ面白かったので続きをゆっくり楽しみたいです。

『忘れられた花園』ケイト・モートン
皆さんの評価がとても高いので。

『第九軍団のワシ』他 ローズマリ・サトクリフ著
映画の日本公開は未定だそうですが、楽しみに待ちたいと思っています。
これを機になかなか手に取れなかったサトクリフ作品(特に「ローマン・ブリテン4部作」)に挑戦したいです。


3.今年のベスト(映画・ビデオその他)

見たものが数少ないのですが^^;食に関する映画が印象に残りました。
フード・インク
「未来の食卓」

来年は次女が幼稚園入園なので映画館で何本か観たいと思っています。