はぴの本棚

2003年からの読書日記

スコーレNo.4作者: 宮下奈都出版社/メーカー: 光文社発売日: 2007/01/20メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 16回この商品を含むブログ (39件) を見る

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ずっと気になっていた作家宮下奈都さん。
やっと読むことができました。

スコーレとはスクールの語源となるギリシア語とのこと。
No.1〜4で主人公の麻子が年齢を重ねながら家族、恋愛、仕事などで学んでいく様子を表しているのかなと思いました。


麻子の家は祖父の代からあるマルツ商会という骨とう品店。
麻子は長女で妹には七葉(なのは)と紗英がいます。
18ヶ月違いの七葉とは年齢が近いのもあって容姿や性格など折々でつい比べてしまう気持ちはよく分かる気がしました。
でも七葉も同じように姉には色々感じていたはず。

両親への思い、祖母への思い、妹達への思い・・・家族ならではの難しさがありますね。
成長していくにつれて家族への感じ方が変化していく様子が興味深かったです。


仕事への情熱も印象的でした。
靴への思いは、以前読んだ『靴を売るシンデレラ』ジョーン・バウアー著
http://d.hatena.ne.jp/lovelyplace923/20100719
と重なる気がしました。


ハッとするほど素敵だったのは恋をした瞬間の文章。
茅野さんとの恋愛も運命的で最後はちょっと甘め?とんとん拍子に行きすぎかなとも思ったんですがそれもいいかな。
ハッピーエンドが好きなので満足です。

愛することって人、ものに限らず自由。
試行錯誤をしながら、麻子自身の「愛し方」を見つけることができて本当によかったと思いました。

明るい光が見える結末で安心して本を閉じることができました。