十階―短歌日記2007作者: 東直子出版社/メーカー: ふらんす堂発売日: 2011/01/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (9件) を見る
(547)
東直子さんの小説をずっと読んでみたいと思っているんですが、まずは短歌を。
2007年の1月1日〜12月31日まで、その日あったエピソードで短文を書き、短歌を作られたそう。
日記を書くような感じで自然に短歌を綴っていく雰囲気がとてもいいなと思いました。
短歌を読んで短文を読んだ後、順序を変えて短歌→短文を読むとなぜか違う印象になったのは驚き。
発見があり、新鮮な感じがしました。
一目で短文と関係が分かる短歌もあるし、じっくり読まないと短文と短歌の関連が分からないものもあり面白かったです。
特に印象に残った短歌を5つ挙げておきます。
>「賞味期限は別途記載」されているはずの別途はついに分からず(2月9日)
>体中の力をぬいて湯の中へしずみこみたり ホホホつまさき(4月19日)
>物語は読み返せてよいよねえ あたしの時間はもどせないのに(5月13日)
>まだ土を知らぬ足裏しめらせて眠る子泣く子みつめやまぬ子(6月11日)
>あたらしい手帖に記す約束の時間と場所とあなたのことば(12月31日)
短歌に触れる機会はこれまであまりなく俵万智さんのを少し読んだくらい。
五七五七七って短い気がするけれど、すごく深いんですね。
東直子さんのはもちろん、色々な方の短歌作品にも触れてみたいと思いました。
ふらんす堂という出版社は初めて知りましたが、小ぶりな大きさと美しいシンプルな装丁が素敵でした。