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2003年からの読書日記

白の祝宴 (逸文紫式部日記 )作者: 森谷明子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2011/03/24メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (11件) を見る

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『千年の黙 異本源氏物語』を初めて読んだのは2005年とずいぶん前・・・
http://d.hatena.ne.jp/lovelyplace923/20050803
『白の祝宴』はこの続編ということで、まずは『千年の黙』をおさらいしてから読み始めました。


出版社の内容紹介です。


源氏物語』の著者・紫式部が残したもうひとつの書物、『紫式部日記』。
時の帝の寵妃・中宮彰子が土御門邸で親王を出産する様子が描かれている。
慶事を迎え、白一色で飾られ浮き立つ邸内──しかしそんな華やかな場に、物騒な盗賊が邸に逃げ込んだとの知らせが入る。
そやつはどこへ? 
式部は他の女房たちを動揺させぬよう、密かに盗賊の行方を探るが……。
平安の都を舞台に、第13回鮎川哲也賞受賞作家が描きだす、王朝推理絵巻。



源氏物語も未読の私なので紫式部日記は名前をちらっと聞いたことがあるくらい。
ちょっと不安がありましたが、今回も上下段のボリュームを感じさせないくらい面白かった!
最初に載っていた土御門邸見取り図と系図にも助けられ、すっと物語に入れて楽しめました。



香子、阿手木、中宮彰子などおなじみの登場人物に加え、小仲、和泉式部など新しく魅力的なキャラクターが登場します。


謎解きはもちろん、前巻以上に女性達が輝いていて読み応えがありました。
特に印象に残ったのは彰子中宮
強さ、しなやかさ、したたかさ、怖さ、可愛らしさ・・・さすが藤原道長の娘ですね。
女性って男性以上に複雑な生き物で色々な面を持っているような気がします。



そして自分以外の者に成り代わる目を持っている香子はそのまま著者の森谷さんに重なるよう。
今回読んで紫式部のイメージがますます香子に固まってしまいました。


『千年の黙』文庫の解説に藤式部のサーガは3冊で完結とあったのでとても楽しみ。
丸谷才一さんの『輝く日の宮』も気になりつつ未読だし、いつかいつか読みたい、読もうと思っている源氏物語も・・・
これらを読みながら残す一冊をゆっくり待ちたいです。


森谷明子さんの作品、やっぱり好きだと改めて感じました。
源氏シリーズの2冊と『れんげ野原のまんなかで』以外は未読なので少しずつ読みたいです。