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2003年からの読書日記

桐島、部活やめるってよ作者: 朝井リョウ出版社/メーカー: 集英社発売日: 2010/02/05メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 213回この商品を含むブログ (102件) を見る

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何気ない会話調のタイトルがまず秀逸。
一度聞いたら忘れられない印象を残します。
章ごとのタイトルが生徒達の名前というのも面白かったです。


自分と年齢の隔たりが大きい若い作家はギャップがありそうで読むのに勇気が要ったりします。
1989年生まれ、現役大学生の著者の書いたデビュー作ということで期待と不安半々で読み始めましたが、楽しめました!

たしかに描かれる高校生のファッションや流行りの音楽などは私の高校生の頃とは違うけれど、やっぱり同じ17歳。
ちょっとした気持ちの揺れや部活への思いは時代が変化しても同じなんだと思いました。


驚いたのは女子の描き方が上手なこと。
著者は男性なのに女の子の微妙な友達関係だとか恋愛感情など、とてもリアルで驚きました。


そして上と下についても・・・高校生当時、こういう言葉は使っていなかったけれどたしかにありました。
高校生にとっては学校が大きな世界ではあるけれど、窮屈な考え方で正直しんどい。
大人になって広い世界を知ると少しずつそんなのは関係なくなっていくと思いたいですが、今も格差社会とか序列をつけたがるのは変わらないんですよね。
現在の著者の写真を見るとたぶん上なんだろうなと思ってしまいますが(笑)下も経験したことがあるのかも。
女子の心理描写のこともそうですが、きっと冷静で鋭い観察力がある方なんだとお見受けしました。

『チア男子』も早速予約。
朝井リョウさん、これからも追いかけていきたいと思います。