はぴの本棚

2003年からの読書日記

最近母から話を聞いたり、雑誌やテレビなどでお話を見聞きして興味を持っていた細谷亮太さん。
ちょうど幼稚園のお知らせで講演会があると知り参加してきました。
『婦人の友』愛読者会主催ということで託児もあり安心して講演を聞くことができました。


細谷亮太さんのプロフィール。
1948年山形県生まれ。
聖路加国際病院副院長・小児医療センター長。
専門は小児がん、小児のターミナルケア、育児学。
小児がんの子供や家族とのかかわり、3男1女の父親としての経験など優しいまなざしで語る講演会、育児講座などが人気。


日野原重明さんのお話も出ましたが、同じ病院の副院長先生なんですよね〜それだけですごいと思ってしまいました。
7〜8年前からお遍路巡りを始めた細谷さん。
現在も歩き遍路をされているとのことで、この日も5時起きでお寺にお参りしてきたそう!
途中で出会ったおばさんにできたての柏餅をいただいたり、帰りは電車賃が足りず(釣銭切れのため)見知らぬおじさんに20円もらったことなど人の優しさに触れたお話から講演はスタートしました。


小児がんでずっと病院にいる素平くんと足の怪我で入院してきた司君の映像は印象に残りました。
以前NHKで放送されたそうです。
どちらも5歳の男の子。
小児がんは現在だいぶ治る病気になってきたけれど、素平君は転移もしていて重い症状の患者です。
目が見えないし、治療の副作用で声も出にくくなっています。


素平くんが治療の副作用で苦しんでいる時は夜一緒に起きてやっていると話す司君。
司君が車椅子で移動する時、気をつけてと優しく声をかける素平君。
二人の交流は数か月と短いもので素平君は亡くなってしまうのですが・・・


この世に生を受けて5年で既にお互いを思いやる心が育っていることに驚きました。
子どもに本来備わっている優しい気持ちというのはあるかもしれませんが、やっぱり周りの大人達の影響が大きいんでしょうね。
ちょうど長女も同じ年齢なのでなおさら胸に響きました。
娘達にはこういう優しい心を育ててやりたいし、そのためには私自身が日々優しい心で接していかねば・・・
背筋をただす思いにさせられました。


細谷さんは読書家のようで色々本の話も聞くことができました。
万葉集源氏物語などからも分かるように日本人には昔から子を大切にする感情があったという話には興味を持ちました。


松田道雄著『私は女性にしか期待しない』、中村哲さんと沢地久枝さんの共著『人は愛するに足り、真心は信ずるに足る』、細谷さんの『優しさはどこから』はぜひ読んでみたいです。

文学座の舞台「わが町」についてもお話されていました。
舞台も機会があれば見てみたいし、原作も読みたくなりました。


今回の講演会では命について、子どもについて、優しさについて、女性の生き方についてなど色々考える機会を持つことができました。
普段生活している中では忘れているけれど、生きているこの一瞬一瞬がかけがえのないものなんですよね。
なんだかじーんとしてしまいました。


婦人之友社は名前を知っているくらいでしたが、今回の講演会をきっかけに興味を持ちました。
去年から羽仁もと子さんの家計簿を利用していますが、本や雑誌も多数出しているようです。
雑誌「かぞくのじかん」春・夏号も購入してみました。
定期購読しているecomomと似ている印象ですが、読むのが楽しみです。