はぴの本棚

2003年からの読書日記

第三の嘘 (ハヤカワepi文庫)作者: アゴタ・クリストフ,堀茂樹出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2006/06/01メディア: 文庫購入: 40人 クリック: 332回この商品を含むブログ (112件) を見る

三部作ラスト、まさにしてやられた感じです。
大きなどんでん返しがありそうだと覚悟はしていたんですが、これまで読んできた2作はなんだったんだろう?っていうくらい明かされた結末は私の想像を超えていました。

あまりにも騙され続けてしまったので、この巻を読んでもまだ嘘かもしれないと思ってしまうのですが(笑)


悪童日記』で一心同体だった双子が『ふたりの証拠』で別々の人生を歩み、そして今回の『第三の嘘』ではまた双子に戻ってくる。
淡々として読みやすい文章は相変わらずなのに、次々と明かされる真相を消化するのに必死でなかなか読み進めることができませんでした。
リュカ、クラウスの孤独や喪失感が痛いほど伝わってくるようでした。
なんとも救いがない終わり方で辛いのですが、この三部作に出合えてよかったです。



未読の方には真っ白な気持ちで読んで欲しいので詳しい内容はあえて書きませんが、ぜひ三部作を通して読み(きっと続きが気になるので、可能なら全部揃えておいて)この衝撃を味わって欲しいです。


アゴタ・クリストフ、かなりのストーリーテラーですね。見事でした!
読み時が来るまでに何年もかかってしまったけれど、やっと手に取ることができてよかったです。

あとがきで知りましたが、著者の自伝的要素がかなり入っているんですね。
紹介されていた『昨日』もいつかぜひ読みたいと思います。