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2003年からの読書日記

親の品格 (PHP新書)作者: 坂東眞理子出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2007/12/15メディア: 新書購入: 1人 クリック: 33回この商品を含むブログ (67件) を見る

母に薦められて読みました。
以前感想をUPした『女性の品格』と同じく読みやすかったです。


子どもの成長につれて親子の関係も変わっていかなければならないこと、どうしていくべきかが具体的な例を交えて書かれていて参考になりました。


第一章 生命を育む

第二章 マナーを育む

第三章 人間性を育む 

第四章 学校とのつきあい

第五章 ティーンエイジャーの子どもと

第六章 情報といかに接するか

第七章 成熟した親子関係をつくる



特に印象に残った項目です。

第一章

・みんなで食事をする

>最近強調される「食育」とは、栄養のバランスのとれたものを食べることだけではなく、もちろん親が子どもにサービスすることでもなく、子どもが自分でよい食べ物を選び、準備し、後片づけまで自分でする力を身につけさせることです。


食育と聞くとつい食事内容や栄養面に注意がいきがちですが、食に関する全体のことに注目して自立できるよう伝えていかなくてはと思いました。



・父親は家庭の共同経営者

>たとえ育児を分担する時間をもてなくても、父親が絶対なすべきことは育児で大変な母親を愛し、信頼し、支えることです。


他の育児本でもよく目にすることですが、これは本当に大事!
よくぞ言ってくれたと思ってしまいました。



第二章

・よい叱り方、悪い叱り方

>子どもが悪いことをしたら、できるだけその場で、なぜ叱られたのか明確にわかるように叱ります。

>子どもを叱るときの鉄則は、よくない行為を叱るのであって、その子が憎くて叱っているのではないことをはっきりさせることです。

成長した子どもの反撃に対してたじろいではいけないと著者は言います。
>自分の基準を明確にもち、同じ基準で叱りましょう。



頭では分かっていてもなかなか難しいのですが、頑張ります。



・現代版”江戸しぐさ”を身につける

江戸しぐさの精神は、自分のことだけではなく周囲を見回す余裕をもつということであり、その気持ちを形として外へ表すということです。いくら思いやりのあるやさしい人間だと自分では思っていても、形で表現しなければ気持ちは伝わりません。それをいちいち考えて行うのではなく、おのずと体が反応するように幼いときから習慣づけて、体に覚えさせるのです。



・個性と社会規範

>子どもが成長して自分の見識をもってから、意味を理解したうえで挨拶や礼儀作法を身につけるよりも、まず習慣づけ、身につけて、その後で自由にするのが個性を伸ばす秘訣だと思います。



・自分のことは自分でできる子に

まずは日常生活の自立、次に精神的な自立、そして経済的な自立をめざすことが目標であり、

>その過程で親が認識すべきことは、人の世話にならずに生きる力をもつと、自分の自信につながり、世話をしてくれる人への感謝の心が生まれるという事実です。
と述べています。


>子どもの欲しがるものを親が与えるのではなく、それを自分で手に入れるにはどうすればよいかを教え、手に入れる力を身につけさせましょう。



長女はもうすぐ5歳、まだまだつい先回りして手助けしてしまいがちですが、子どもの成長に合わせて親も変わっていかなければならないと反省しました。
見守ること、待つことをより心がけていかなければと思いました。



第三章

・約束は必ず守る

子どもの頃はどんなに小さな約束でも覚えていたんですよね・・・
子どもとの約束をちゃんと覚えておくこと、それを守ることで信用される親になるとは納得。
失敗防止のために大きなカレンダーを貼って約束の予定をしっかり書いておくのはお互いの行動把握にもいいとありました。



・責任を取る子に育てる

子どもが悪いことをした時、親がまず謝って子どもが口先だけで「ごめんなさい」という場合が多く子どもは自分のしたことの責任を取ろうという気持ちにならないというのは本当にそうだと思いました。
親が出ることも時には大事だけれど、基本は子ども自身に後始末をさせ、自分で謝らせるべきなんですね。

>親は後始末の仕方、謝る言葉をしっかり教えること
心がけたいと思いました。
 


第四章

・いじめをしない子に育てる

>親はいじめが起きてから動き出すのではなく、その前に、自分の子どもに「弱いものをいじめるな」としっかり教えなければなりません。「子どもがいじめられないようにする」という考えは保身です。いじめは、自分では防ぎようがないというのが真実です。しかし、自分は誰もいじめないということは、自分で決心すればできることです。


・チームプレーを学ぶ

>読み、書き、計算など、今後の社会生活を営むうえで不可欠な知識やスキルが、第一に必要です。しかし、同時に社会でどのように行動していくか、他人とどう関わっていくかの基本的な知恵を身につけることも大事です。


人と協力して物事を成し遂げるチームプレーは将来どんな仕事でも必要になってくること。

チームプレーは学校で同年輩の友人たちと学んでいくことで身につけられると述べています。

著者はチームスポーツやボーイスカウトガールスカウトなど地域の青少年団体に加入するのを薦めていましたが、文化部でも人間関係を育てることはできると思うのでその子に合った興味あるものを見つけることが重要なのだと思いました。



第五章

・子どもの友人との出会い

子どもは親の望むタイプの友人ではなく少し危ないタイプの友人というのはたしかにそうかもしれません。

>少しやんちゃで成績は悪くても優れた人間性を備えている子どもと、悪意のある危険な子どもを見分けるのはとても難しいのが現実です。

ハラハラしながらも子どもがどういう状態にあるか注意深く見守り、時には助ける・・・あぁ難しい!

>バランスを取りながら、繊細な植物の世話をするように、親は子から目を離さず、手はあまりかけすぎず育てなければなりません。

この文章はとっても素敵だと思いました。




・お金の経験を積ませる

>しかし、あくまでお金や資産はいい人生を送るための手段であり、人生の目的ではないことを伝えておきましょう。そしてお金は自分個人が贅沢で安楽な生活をするために使うのではなく、必要な人や目的のために使うのだと伝えておきましょう。





第六章

・好きな本を読ませる

読書好きなのでつい色々薦めてしまいそうですが(笑)著者の言うように押しつけにならないようにしないと。


・情報機器とのつきあい

>節度をもって情報機器を使いこなすことができるように、現実の世界との接触を大事にする機会を提供するのも親の大きな務めです。

自分が携帯電話やパソコンを利用し始めたのは就職してから。
大人でもつい依存しすぎたり、時間を決めてというのは難しいので子どもに与える時には十分考えないといけないと思いました。



第七章

・パラサイトシングルにしないために

>でも大事なのは、そうした表面的なことよりも、コミュニケーション能力を身につけていることです。


仕事でも人間関係を作るうえでも大事な能力であり、それが養われるのはまず家庭だということ。
夫婦間、親子の日頃のコミュニケーションの積み重ねが大事なんですね。



・子どもの配偶者とのつきあい

>同性の子どもの配偶者については、今も昔もいろいろ不満を抱きがちですが、「自分の配偶者ではない、子どもが好きな人なのだ」と達観するように努めましょう。



・親の介護
・子どもに迷惑をかける
・遺言の品格

これらも将来直面することで、自分と夫の両親について、もっと先には自分達夫婦の場合も考えておかなければと思いました。