はぴの本棚

2003年からの読書日記

仏果を得ず作者: 三浦しをん出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2007/11メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 108回この商品を含むブログ (152件) を見る

図書館で予約していたのを忘れた頃に順番が回ってきました。
久々に読んだ三浦しをんさんの小説。

『風が強く吹いている』でも感じたけれど、やっぱりしをんさんは何かに熱中する人々を描くのが抜群にうまい!

『風が〜』の駅伝にしても今回の文楽にしても私にとって全く未知の世界なのに読み進めていくうちにその空気を感じ虜になってしまうんですよね。

自分の一生でできる経験なんて限りがあるし、案外少ない・・・
でも読書のおかげで未知の世界をいくらでも疑似体験できます。
とてもうれしいことだし、これだから読書はやめられないです。


文楽太夫、三味線、人形の三者で構成されているくらいしか知識がありませんでした。
タイトルが演目になっているんですが、さっぱり?分からず(笑)
そんな私でも主人公健(たける)、師匠の銀太夫、相方になる三味線の兎一郎など魅力的な登場人物に引っ張られて楽しむことができました。
健や兎一郎達の文楽への情熱は本当に眩しくて熱い。
こんなに熱中できるものを見つけられたのがうらやましいくらいでした。
師匠と弟子、先輩後輩の人間模様、恋愛も絡んできて十分堪能できました。


日本の伝統芸能は奥が深そう。
せっかく日本に生まれてきたのに知らないままでいるのはもったいないかも。
この小説のおかげで一度は文楽鑑賞をしてみたいと思うまでになりました。