はぴの本棚

2003年からの読書日記

それからはスープのことばかり考えて暮らした作者: 吉田篤弘出版社/メーカー: 暮しの手帖社発売日: 2006/08メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 63回この商品を含むブログ (125件) を見る

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クラフトエヴィング商會の活動もされている吉田篤弘さんの本です。
美味しそうなタイトルがまず気になっていたのですが、読むとますますお腹が空いてきます。

読んでいるうちに男性版のかもめ食堂のような雰囲気を感じました。
淡々としている文章ですが、どこかほのぼのとしていてあったかくて優しい世界。
本の中でゆったりと時間が流れていて、読んでいるだけで癒されます。
この世界を離れてしまうのがもったいなくて、少しずつ時間をかけて読みました。

物語も素敵ですが、登場人物も魅力的な人達ばかりでお気に入りです。
サンドイッチのお店トロワのシェフ安藤さん、息子のリツ君、主人公の下宿先の大家さん、映画館で何度も出会う緑色の帽子のおばあちゃん(彼女の正体が実は・・・)など皆いい!

最後に名なしのスープのつくり方のポイントが書かれています。
数えてみるとなんと25個もありました。
真面目なのかユニークなのか分からないコツですが、読んで納得する部分もあり・・・深いです。
「とにかく、おいしい!」スープを作ってみたくなりました。

食いしん坊な私は、トロワのサンドイッチやあったかいスープを想像すると食べたくなっちゃいます。
実際こんなお店があったら通いつめてしまいそう。
3の数字がついたお洒落な紙袋に好きなサンドイッチを詰めて公園で食べてみたいです。

吉田篤弘さんの作品は初めてでしたが、とても好きな雰囲気でした。
これからも追いかけていきたいと思いました。