はぴの本棚

2003年からの読書日記

魔法の文字作者: コルネーリアフンケ,浅見昇吾出版社/メーカー: WAVE出版発売日: 2006/12/07メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (7件) を見る

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『魔法の声』の続編、映画化も決まったようです。
あとがきによると三部作になるとのこと。だから今回は続きが気になるような終わり方だったんですね・・・

本に載っていた紹介文を引用します。

朗読すると物語が現実になる魔法の声を持つ少女メギーと父モー。物語の世界に閉じこめられた母親を無事取り戻してから、平穏な毎日を送っていた。一方、火噴き師ホコリ指は、望郷の念に押され再びその世界へ帰ってしまう。自ら物語を書き換え朗読し、危機が迫っているホコリ指を助けに物語の世界へ入り込んだメギーは…。


『魔法の声』を読んだのが3年以上前なのでけっこう忘れていました。
その時の読書日記がこちら

http://d.hatena.ne.jp/lovelyplace923/searchdiary?word=%cb%e2%cb%a1%a4%ce%c0%bc


巻末に登場人物紹介が載っていたり、(前巻からの登場人物と新たなものに分けてある)地図もあるので物語を読み進めていくのにずいぶん助かりました。
『魔法の声』よりも分厚いし(77章、本文は11〜772pまである)前巻の内容をある程度思い出すまで少し時間がかかりましたが、慣れてしまえばこっちのもの。物語の中盤に入ってくると一気読みでした。


前巻と違うのはメギー達が本の中に入り込んで冒険するということ。
本の中の世界だけれど、物語は生きているんですよね!ワクワクしながら読みました。
途中からは物語が独り歩きしたようにどんどん変化していくのが面白かったです。


メギーの成長と活躍が今回は際立っていたような気がします。
そしてホコリ指やファリッドの存在感も大きかったです。
本の収集家であるエリノアの置かれた立場は今回も厳しくて、気になりました。最終巻で動きがあるといいけど・・・
感想で紹介しきれないくらい多くの人物が登場しますが、善悪関係なくそれぞれに魅力があって楽しめました。


本文中に何度も語られる文字の持つ力については考えさせられました。
文字の持つ力は大きいけれど、逆に制御できない怖さ、無力さも感じました。


『闇の心(インクハート)』の著者のフェノグリオや読み手のオルフェウスは、言葉を操ることができる力を持っているからかプライドが高く自信過剰な面があって読んでいて失望しちゃいましたが、そんなものなのかな?
詩人や作家がそんな人達ばかりでないと信じたいですがちょっとショックでした。

フェノグリオのしたことは自分の物語を愛するが故なんでしょうけど・・・これからまだまだ大きく動きそうな予感。
まだ結論付けるには早いので最終巻を楽しみに待ちたいと思います。

読んだものの多くが魅了される『闇の心』という本、興味あります。本好きなきっと読んでみたくなるでしょうね。