はぴの本棚

2003年からの読書日記

さよなら、コンスタンス作者: レイ・ブラッドベリ,越前敏弥出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/09/10メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (15件) を見る

(295)
ハードボイルド三部作、ラストです。
ページ数も少なめだし、ブラッドベリの文体に慣れているのでけっこう早く読むことができました。

原作が出版されたのは前巻『黄泉からの旅人』から12年後、1作目『死ぬときはひとりぼっち』からだと17年にもなるとのこと。
これは完結編ということもあり、ブラッドベリも年を重ねたこともあるのか?やや落ち着いて進んでいく感じがしました。
やっぱり勢いからいくと1作目が面白かったかな。

でもこれまで登場した人物にまた出会えるのがうれしかったので、この巻を星4つにしました。

1960年、主人公の「私」は38歳の探偵小説作家。
ある嵐の夜、コンスタンスがおびえた様子で訪ねてきて2冊の黒い手帳を残したまま失踪するところから物語が始まります。

それは1900年版の電話帳とコンスタンスの住所録。
住所録は以前コンスタンスが手放したものでしたが、誰かの手により赤いインクで名前を囲まれ、十字架が書かれ再びコンスタンスの元にやってきたのだそう。
「私」とクラムリーはコンスタンスを探すため十字架が書かれた手帳の人物を訪ねて回ることにするが・・・

コンスタンスがなぜ失踪したのか?手帳を送りつけたのは誰か?などミステリーの部分ももちろんあるのですが、やっぱり魅力的なのは独特な登場人物。

今回は膨大な古新聞紙に囲まれて住んでいる男、とてつもなく大きな体の占星術師、映写室にこもっている老人などが登場しました。
コンスタンスの過去に関することも徐々に明らかになり、興味深かったです。

前巻同様、映画に詳しければより楽しめたのに、と少し残念ですが、ブラッドベリのハードボイルドを一気に堪能できてよかったと思います。

                                                                                                                                                              • -

青子 > わーっ、トントンさん3作とも完読ですね。いくらなんでもそんな奴はいないだろうというようなキャラクターが、いつもながら面白いですね。天辺の映写室から地下の楽屋、車の通れる地下に墓場と今回もまた、魅力的で不思議な空間もブラッドベリ的で、とても楽しかったです。映写技師の大切なポートレイトのコレクションは、ちょっと切ないですね。 (2006/12/22 23:57)
トントン > 青子さん、読みました!実際にはいないようなキャラクターばかりですよね(笑)それに慣れてきている自分もまたおかしくて^^車の通れる地下は映画に出てきそうな感じだなと思いました。そして、映写技師のポートレイトコレクション、切なかったですね・・・ (2006/12/24 23:01)
たばぞう > トントンさん、お久し振りです!。短期間になると思いますが、楽しい本プロに戻ってきました。遂にブラッドベリのハードボイルド三部作を読まれたのですね!。でもやっぱりブラッドベリな世界だったでしょう?。主人公も全然ハードボイルド向きじゃないし(笑)。この作品では「永遠に生きよ!」のエピソードが印象的でした。ブラッドベリに実際に起こったことだそうだし・・・すごいなぁ。 (2006/12/31 13:17)
トントン > わ〜たばぞうさん、お久しぶりです!またお話できてすごくうれしい♪ハードボイルド三部作、ついに読みましたよ。これは前からたばぞうさんの日記でチェックしてたのでした^^ハードボイルドだけど、やっぱりブラッドベリな世界でしたね。そうそう、主人公もハードボイルドとはなんか違う感じで・・・(笑)「永遠に生きよ!」のエピソードも印象に残りましたが、実際に起こったことだったんですか。他の作品でも似たようなフレーズがあった気もしますが、すごいですね! (2007/01/03 15:25)