はぴの本棚

2003年からの読書日記

たんぽぽのお酒 (ベスト版文学のおくりもの)作者: レイブラッドベリ,北山克彦出版社/メーカー: 晶文社発売日: 1997/08/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 30回この商品を含むブログ (54件) を見る

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たんぽぽのお酒・・・なんともいい響きです。
本プロで何度もこのタイトルを聞きましたが、そのたびにいつか読もうと思っていました。

アメリカ1928年の夏。
12歳の少年ダグラスが経験する様々な出来事。
幸福マシン、テニス靴、フリーリー大佐との出会い、友達との別れ、大おばあちゃんの死、タロットの魔女・・・
多感な少年時代に経験するこれらの事がダグラスの胸に刻み込まれていきます。
生きている喜びを実感した夏、それは同時に死、孤独、寂しさも強く感じるようになったといえます。

テーマはとっても広く、感想を書くのはとても難しいです。
少年の成長、友情、老い、死、孤独、考えること・・・
本当に盛りだくさんの内容が詰め込まれていました。
私もダグラスや弟のトムと一緒にもう一度12歳に戻って夏を味わっている気分になりました。

少年達以外にもおじいちゃん、大おばあちゃん、おばあちゃんも素敵でした。
グリーン・タウンに住む人々も魅力的でした。
特に好きだったのはウィリアム・フォレスターとヘレン・ルーミスの話。
とてもロマンティックで生まれ変わりを信じたくなります。

がらくたを運ぶジョウナスさんの話もよかったです。
救ってもらったダグラスが次の人にお返しをするエピソードは心あたたまるものでした。
それぞれの物語をじっくりゆっくり読みました。

レイ・ブラッドベリさんの本を読むのは初めてだと思っていたのですが、以前文庫で『二人がここにいる不思議』を購入していました。
3〜4年くらい前でしょうか?
当時は読み始めてすぐに私には合わないなと思ってそのままにしていたみたいです。

ブラッドベリは「イメージの魔術師」と評されているように、想像の翼を広げてじっくり読むといいように思います。
以前の私は物語に入り込む前に読むのを止めてしまったのかもしれません。
今回もイメージを自分の中で膨らませていくのに少し戸惑いましたが、慣れたら楽しくてずっと物語に浸っていたい気持ちでした。
私にとっては今が読みどきだったのかな?
実家の本棚に眠っている文庫は早速引き取ってきました(笑)

この物語はまさに「たんぽぽのお酒」そのものだと感じました。
詠みたい時にまた何度でも味わえるのだから。
忘れた頃に再読したら想い出がきっとよみがえってくるんでしょうね。
本に呼ばれた時、また味わってみたいと思います。

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北原杏子 > ちょうど私も読み始めたばかりです。トントンさんも高評価のようで、ますます読むのが楽しみになりました。 (2005/10/10 23:12)
ぱせり > わあい、★五つですね♪ わたしもウィリアム・フォレスターとルーミスさんのお話、大好きです。それから、ジョウナスさんも。ダグラスのお返しも。トントンさんの感想を読んでいるうちに、物語のいろいろな場面が蘇ってきて、わくわくしてしまいました。まさにたんぽぽのお酒ですよね。何度でも味わいたいと思います。
「二人がここにいる不思議」チェックしておきたいと思います。これもいつか読んでみたいです。今「10月はたそがれの国」を借りているのですが、なかなか読めずに返却の日が近付いています。
北原杏子さんも読んでいる♪またまた余韻を楽しめる、とほくほくしながら感想を待っています。すももさんもたぶん、きっと、近々借りられることでしょう(笑)
ところで、トントンさん、よかったらぜひマキャモンの「少年時代」お読みになりませんか? この本に★5つでしたら、きっと気に入られると思います。トントンさんの感想伺いたいな〜なんて思っています。 (2005/10/11 08:21)
よう > あぁ。今すぐにでも手にとりたいくらいです。ん〜いいなぁ。私もこのタイトル好きです。 (2005/10/11 11:13)
トントン > >北原杏子さんも読み始めたんですね♪もうだいぶすすんでるでしょうか?じっくり味わってくださいね。
>ぱせりさん、すごくよかったです!秋ちょうどいい時期に読めました。ウィリアム・フォレスターとルーミスさんのお話素敵ですよね!ジョウナスさんも、ダグラスのお返しのエピソードも・・・たくさんありすぎて困るくらい。
『二人がここにいる不思議』私もいつか読もうと思います。『10月はたそがれの国』もチェックしなければ。
そうそう『少年時代』!ぱせりさんにレスをいただく前にちょうど文庫で購入したところなんですよ^^だからすごくタイムリーでびっくり!図書館本がいくつかあるのでそれが終わったらじっくり読みたいと思っています。こうやって読書がどんどん広がっていくのってすごくうれしいです☆
>ようさん、これはアメリカが舞台なんですよ。だから今お住まいのようさんはきっと楽しめると思います。ぜひぜひ読んでみてくださいね♪ (2005/10/12 08:37)