はぴの本棚

2003年からの読書日記

ささらさや作者: 加納朋子出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2001/09メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (28件) を見る

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本プロでよく名前を見かける加納さん。
ずっと気になっていたので読んでみました。
なぜかこの作家さんの文章はスッと自分の中に入ってきました。
この本だけではまだ分からないけど好きな雰囲気です。
これから他の作品も読んでいこうと思います。

主人公はサヤという女性。
夫と赤ん坊と幸せに暮らしていたが、突然の事故で夫を失ってしまいます。
最初からそれはないよ!という感じでした。
サヤは悲しみを抱え、伯母が残してくれた佐々良という土地で暮らし始めます。
夫は姿は見えないが、側にいるようで・・・

自分にとって大切な人が突然死んでしまったら、もしサヤと同じ立場だったらどうだろう?この本を読みながらずっと思っていました。

最初、サヤはかなり気が弱く、頼りなくて、人の言いなりになってしまうのでもどかしいなあと思いつつ読んでいました。
でも、佐々良の人達と出会うことで少しずつ変わっていきます。
お夏さん、久代さん、珠ちゃんという濃いキャラクターの三人のおばあちゃんがとてもいい味を出していました。

あと公園で出会ったエリカと息子のダイヤもよかった。
皆それぞれに辛いことを抱えているからかもしれないけれど、その人なりの優しさがあって、読みながらあたたかい気持ちになれました。

夫は、サヤがピンチになった時に生きている人の体に<入って>助けに来てくれますが、自分の力を借りなくてもサヤは生きていけるし、幸せになれると気づいた時現世にいられる猶予期間は終わりを告げます。

>君はもっと自分の力を信じるべきだよ。自分と、自分の周りにいる人たちの力をね。

夫が語りかける最後の章にホロリときました。


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ありんこ > 自分の夫がもしサヤの夫のように突然死んでしまったらと重ね合わせて読みました。赤ちゃんを抱えて見知らぬ土地で不安だらけだったでしょう。でも周りの人の愛に支えられて成長していくサヤがいいですね、好きな作品です。 (2003/08/29 23:12)
流歌 > 滅多に単行本は買わない私が、これは装丁の綺麗さに買ってしまいました。もう読み終わった後は、表と裏の絵の対比だけで泣けてきちゃって…。勿論内容もとても素敵です。 (2003/08/29 23:22)
れんれん > トントンさんのあらすじを読んだだけでもう心がほんわかしてくる予感がビンビンと伝わってきました。いつか読みたいです。 (2003/08/30 02:34)
トントン > ありんこさん、私も主人公と自分を重ねてしまうことが多いです。初加納作品がこれでよかったと思います。
流歌さん、装丁は本の内容にぴったり合っていて素敵ですよね。表と裏を何度も見ながら読みました。
れんれんさん、私はとても好きな作品になりました。ぜひ読んでみてくださいね。感想楽しみにしています! (2003/08/30 12:31)
あさこ > トントンさんの日記を読んで、すごく読みたくなりました!早めに図書館で借りてこようと思います! (2003/08/30 23:04)
トントン > そう言ってもらえるとすごくうれしいです!装丁もきれいなのでおすすめですよ。 (2003/08/31 15:53)