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2003年からの読書日記

巻一 (源氏物語)作者: 瀬戸内寂聴出版社/メーカー: 講談社発売日: 1996/10/24メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る[日本の作家(マ行)]

★★★★
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数年前から読もう読もうと思っていた『源氏物語
なかなか手が出なかったのですがやっと!読み始めました。
母が揃えている瀬戸内寂聴訳を借りました。
以前読んだ小泉吉宏さんの『まろ、ん?大掴源氏物語』を引っ張り出して助けてもらいながら読んでいます。


構えて読み始めましたが、想像以上に読みやすい。
本編はもちろんですが、巻末の「源氏のしおり」はとても読み応えがありました。
源氏物語』は日本が世界に誇る文化遺産の筆頭にも挙げていい傑作長編の大恋愛小説とのこと。
400字詰め原稿用紙にすると4,000枚に達する分量というのにも驚きました。
傑作長編小説に挙げられている海外の5作品(トルストイの『アンナ・カレーニナドストエフスキーの『罪と罰』フローベルの『ボヴァリー夫人スタンダールの『赤と黒プルーストの『失われた時を求めて』)は残念ながらどれも未読。
恥ずかしながらタイトルを耳にしたことがあるくらいです。
少しずつ挑戦していこうと思います。


源氏物語』はこれらの小説より早く誕生しているということに加え、千年経っても読み継がれているというのは本当にすごい!
原文では無理ですが、この作品を日本語で読め雰囲気を味わえるのはとても幸せなことだと思いました。
語句解釈や各帖の読みどころ紹介など親切な説明がたくさんあり初心者にも配慮されている印象です。
巻一は桐壺 帚木 空蟬 夕顔 若紫が収録されています。
授業で習った記憶はだいぶ薄れていたけれど、今の方がずっと楽しめる気がします。


苦労の種になるような恋がお好みらしい光源氏はどうも好きになれず(笑)
自分が女なのもあるけれど女性の登場人物に惹かれました。
特に気になったのは空蟬。
凛としていて好みでした。


生霊に襲われて亡くなってしまう夕顔はかわいそうでしたが、初めて源氏の顔を見た時の歌(「光ありと見し夕顔の上露は たそかれどきのそら目なりけれり」)はうぬぼれている彼に釘をさす感じがなんともいえず格好よくて気持ちよかったです。


光源氏達4人が女の品定めをする帚木の章も興味深かったです。
男の理想=男の勝手とも取れるような内容で・・・
世の男性の本質は今も昔もあまり変わらないのかなと思いました。


若紫を自分のもとで育てて藤壺の代わりにしたいという考えにもなんともいえない嫌悪感が。
色々突っこみどころがあって面白いです。


全10巻、長い道のりですが、楽しみながら読んでいきたいです。