はぴの本棚

2003年からの読書日記

昨日のように遠い日―少女少年小説選作者: 柴田元幸出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/03/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 8回この商品を含むブログ (35件) を見る

編者の柴田元幸さんが選んだ13の作品(8人の作家)と特別付録にアメリカ新聞漫画が収められています。
私がこれまで読んだことのある作者はレベッカ・ブラウンのみでしたが、十分堪能できました。


>いまさら子どもの無垢だの純真さだのを謳い上げた作品を並べたって仕方ない。

と柴田さんがあとがきで書いているように、どれもどこか癖のある感じ。

それぞれの作品の吸引力がすごくて、読んでいくうちにスッと物語の世界に絡め取られてしまいました。
以前は翻訳ものに苦手意識があったのに今回は全然感じなかったのも不思議。
これも訳者や編者の力なんでしょうか?
読後元の世界に戻ってきて静かな余韻に浸れました。


特に印象に残った作品をあげておきます。

「大洋」バリー・ユアグロー

「ホルボーン亭」「灯台」アルトゥーロ・ヴィヴァンテ

「パン」レベッカ・ブラウン

「謎」ウォルター・デラメア



私の好みど真ん中だったのは最後に収められていたウォルター・デラメア。
名前は何度か耳にしていて興味はあったんですが作品を読んだのは初めてでした。
この「謎」はかなり有名な作品のようですが、知りませんでした。

デラメア作品、これを機にチェックしてみようと思います。
そして柴田さんの翻訳作品も追いかけてみたくなりました。