はぴの本棚

2003年からの読書日記

ツバメの谷 (アーサー・ランサム全集 (2))作者: アーサー・ランサム,神宮輝夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1995/07メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る

去年初めて読んで大好きになった『ツバメ号とアマゾン号』のシリーズ。
今年は岩波少年文庫でシリーズ刊行となり、とてもうれしく思っています。


物語の設定はあれから1年後の夏!
「アホイ!」というナンシイの挨拶に読者も物語に再び迎えられた気分になります。
1年ぶりに登場人物達と再会することができてうれしくなりました。


今年は最初からいきなりツバメ号が壊れるというアクシデントあり、アマゾン号のナンシイとペギイは土人のごたごたでなかなか出てこられなかったりと困難の船出。
でも船で冒険できない代わりにツバメ渓谷という新たなお楽しみがありました。


洞窟を発見、カンチェンジュンガへの登頂、寝袋でのキャンプ体験など読んでいると本当に楽しくて自然と笑顔になりました。
霧に巻かれて迷子になったり、ロジャの怪我などドキッとする出来事もありましたが、全部含めて冒険なんですよね。


カンチェンジュンガの登頂後、ロジャがしんちゅうの箱を発見する場面には大人達も負けてないなとニヤリとさせられました。
子ども時代にたくさん冒険したからこそ子ども達の気持ちが分かる大人になっているんですよね。


そして最後のツバメ号とアマゾン号の競走の場面。
ヨットには乗ったことがないけれど、子ども達と一緒に胸躍らせながら風や波を感じられるような気がしました。
子ども達にとってはやっぱりツバメ号やアマゾン号と一緒が一番なんでしょうけど、ツバメ渓谷での夏も素晴らしいものでした。


前回の感想にも書いたけれどやっぱり注目したのは「いちばんすばらしい土人」と呼ばれ、皆に頼られる存在えあるウォーカー家のお母さん。

「あなた方のことは、安心してますよ。」という言葉をそのまま体現しているのが素敵。
内心はハラハラしたりしているのかもしれないけれど、子ども達を信じておおらかに見守る姿勢がとてもいいんです。
私の理想の母親像・・・少しでもお母さんに近づきたい!
それにはまだまだ修行が必要だと思わされました。


そしてスーザン航海士の働きが1年前よりさらに磨きがかかり、光っていました。
もちろん、ジョン、ティティ、ロジャ、ナンシイ、ペギイも大好きなんですが、しっかり者のスーザンがメンバーにいるからこそ皆が冒険を思いっきり楽しめるし、母も安心して送り出せるんだろうと思いました。




毎年1冊ずつ読んでいると読み終わるのにあと10年かかってしまうので(笑)
次の巻からは1年に一度の再会じゃなくて年に2〜3冊のペースで読めたらと思っています。