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2003年からの読書日記

子どもの心のコーチング―一人で考え、一人でできる子の育て方 (PHP文庫)作者: 菅原裕子出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2007/10/01メディア: 文庫購入: 21人 クリック: 201回この商品を含むブログ (43件) を見る

子育てをしていると楽しいことも多いけれど難しさも感じ反省すること多々ある日々。
叱るというより気分や感情で怒っているような気がしてよくないと思ったり、片手間で話を聞き、一緒に遊んでいても心ここにあらずの自分にハッとしたり。
行動範囲が広がった次女に「ダメ!」「危ない」と禁止する言葉がけを必要以上にしていなかったか?
漠然とですが、自分のやり方はなんとなくまずいなと思うことが増えていました。


育児関係の本はこれまでいくつか読みましたが、コーチングの本を読んだのは初めて。

コーチはスポーツの分野で耳にすることが多い言葉だと思っていたくらいでしたが、最近はそれ以外の分野にもどんどん広がってきているんですね。
人の能力を開発することを「コーチング」といい、その場を提供したり、能力の開発をお手伝いする人を「コーチ」と呼ぶそうです。

子育て中の時期にこの方法を知ることができたのはよかったと思います。


>たとえ子どもが何歳になっていても、親が気づいた時がスタートラインです。
変える勇気さえあれば、子どもはいつだって受け入れてくれます。

>子どもは完璧な親を求めてはいない

という言葉にもホッとしました。





第1章 親の役割は何?

第2章 子どもに教えたい3つの力

第3章 子どもを幸せにするしつけ

第4章 心を結ぶ聴き方・伝え方

第5章 親の幸せは自分でつくる



なるほどと思ったのは「ヘルプ」と「サポート」の違い。

ヘルプは「できない」人のために、その人にかわってやってあげること。
サポートは人を「できる」存在ととらえて、そばで見守り、よりよくなるために必要なときは手を貸すこと。


親にとって楽だからついやってしまう「ヘルプ」
でも、子どもの未来にとって必要なのは「サポート」なんですよね。
子どもの成長にしたがって「ヘルプ」ではなく「サポート」にしていくことが大切だとよく分かりました。

>ヘルプは親の自己満足、子どもの人生を横取りする行為

という言葉はかなり痛かったです。



驚いたのはほめ言葉が自己肯定感が育っていない子どもにとっては子どもを支配する危険なものだということ。
叱られたり、物で釣るというのはよくないと分かっていたけれど、ほめ言葉も外からの働きかけと同じ。
ほめることはいいと思うんですが、それを動機づけに使うのはいけないと心に留めておきたいです。


子どもに教えたい3つの力(愛すること、責任、人の役に立つ喜び)も納得の内容。


一番心に残ったのは「怒りの自動スイッチをリセットすることから始めよう」でした。
命の大切さを教えるとき以外、親は叱っているのでなく自分の都合で怒っているというのはまさに私の姿。
無意識のうちに怒りの自動スイッチが入っているというのは怖いですね。
でも、怒っている時に冷静になるのってすごく難しい。

紹介されていた怒りをぶつけない方法2つのうち①は子どもが余計怖がりそうなので我が家は×(笑)
②のとりあえずその場を去り子どもから離れて気持ちを落ち着かせる方法でやってみたいです。



第4章の心を結ぶ聴き方・伝え方もとてもよかったです。
「きき耳」チェックで自分のタイプを知ることができ、自分がもし子どもの立場だったらと想像するのはとてもいい方法だと思いました。


自動スイッチをオフ

①子どもに対する指示・命令・小言をやめる
②子どもに質問したら、答えが返ってくるまで待つ
③思わず何か言いたくなるようなことを子どもが言ったら、黙る


特に③は目からウロコ!これから活用していきたいです。


聴く技術その1 黙る
    その2 言葉の反射で子どもの心を開く
    その3 子どもの問題を解決する聴き方
    その4 感情の反射で気持ちをくみとる
    その5 子どもの話を体で聴く
 


最後に書かれていた「ひび割れ壺」の物語も素敵でした。



子育てをするとき親が目指すのは子どもの未来。
今に焦点をあてすぎずに子どもの自立をサポートできる親に少しずつ成長していきたいと強く思いました。

この本に書かれている全てができれば言うことないんですが(笑)
まずは怒りの自動スイッチをリセットすること、聴く技術を磨いて「あなたメッセージ」ではなく「私メッセージ」で子どもと接することから実践していけたらと思います。