ツバメ号とアマゾン号 (アーサー・ランサム全集 (1))作者: アーサー・ランサム,岩田欣三,神宮輝夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1967/06/19メディア: 単行本 クリック: 89回この商品を含むブログ (21件) を見る
このシリーズには前から興味があったのですが、地味な感じ&分厚さに気力を阻まれ、全12巻もあるというのに恐れおののいて(笑)読むのが今になってしまいました。
一言でいえば、あ〜楽しかった!
夏は過ぎてしまったけれど、ゆっくりゆっくり読みました。
子ども達だけで無人島で過ごす許しをもらったウォーカー家の4人きょうだい。
>オボレロノロマハノロマデナケレバオボレナイ
というお父さんからの電報もユニークで一気に物語世界に惹き込まれてしまいます。
ロジャが最初、間切って母親のところに行く場面(まだツバメ号には乗ってなくてごっこ遊びなんですが)から夢中になってしまいました。
ツバメ号のジョン船長、スーザン航海士、ティティAB船員、ボーイのロジャ、後から仲間に加わるアマゾン号のナンシイ船長(ルース)、ペギイ、皆個性豊かでかわいくて大好きになってしまいました。
すっかり大人になってしまった私ですが、子ども達の夏休みってなんてワクワクするんでしょう!
同じような冒険をしたことはないのに、読んでいてこんなに楽しいのは本当に不思議。
あとがきにもありましたが、「冒険する心」は世界共通なんでしょうね。
『ツバメ号とアマゾン号』が出版されたのは1930年、日本で最初に出版されたのは1958年とのこと。
「冒険する心」がたっぷりつまっている作品だからこそ出版されて長い年月が経っても物語の魅力は色褪せることなく今でも世界中に読者がいて、さらに新たな読者も(私のような遅咲きも含め)獲得し続けているんだと思いました。
ツバメ号、アマゾン号の船員達を見守り支援する大人達も素敵でした。
自分が親の立場でもあるからなのか、読みながらいつの間にか土人達の目線になったのに気づいて苦笑したり・・・
特にツバメ号のお母さん、とってもいいなぁ。
遊び心があって細やかな心遣いもあって、なにより子どもを信頼して任せているところがすごい。
ツバメ号の皆にはもちろん、多くの子ども達にとっては理想のお母さん(土人)かもしれませんね。
私も少しでもこんな母親に近づきたいと思いました。
>ツバメ号、アマゾン号ばんざい!
という最後の言葉がぴったりで余韻に浸りながら本を置きました。
読み終わってみるとこのシンプルな装丁がなんともいえず素敵。
そしてシリーズの表紙!
巻を追うごとにヨットの数が増えてるんですね〜やっと気づきました。
あと11巻・・・先はまだまだ長いので読むのはとりあえずお預け。
来年の夏ツバメ号とアマゾン号の皆と再会するのを楽しみにします!